パイオラックス、設備投資が過去最大に 板ばねなど国内拠点を更新

 精密金属ばねなど自動車部品メーカーのパイオラックス(本社・横浜市)は、3カ年で177億円規模に上る過去最大の設備投資を実施する。国内拠点のリニューアル工事や海外事業の能力増強、工場の自動化・省人化などを進める考えで、2018年度は前期比8割増の64億円を計画している。

 国内拠点では、設計や研究開発、調達機能を持つ横浜テクニカルセンター(保土ヶ谷区)と真岡工場(栃木県)を建て替える。

 新しい横浜テクニカルセンターは約35億円を投じ、2022年度に完成する。工事期間中は保土ヶ谷区の横浜ビジネスパークへ移る予定で、開発部隊などは8月から移転を始める。現状は建屋が手狭で開発部隊が分散しているが、新棟によって一元化され「グローバルなR&D拠点にする」(島津幸彦社長)。

 板ばねなどを造る真岡工場では約40億円を投資する。今の工場の隣接地で3万3千平方メートルの土地を購入。自動化を進めるなど最新の技術を導入した新ラインで競争力を高める。新工場は23年度に完成予定で、移転後の現工場(敷地面積3万1千平方メートル)は売却する可能性があるという。

 海外では米国や中国、東南アジアで増強などを行う。米国事業では3基目となる熱処理炉を増設し7月にも完成する予定。「通商拡大法232条」の影響で鋼材の調達費が増大しており、現調化を進めつつ増産を図る。

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