W杯開幕直前!日本代表の選出メンバーやシステムを考察

6月14日から開幕する2018 FIFAワールドカップ ロシアに臨む日本代表メンバーが 5/31(木)に発表された。4月に就任した西野朗監督がどのような戦いを見せるのかに注目が集まる中、選出されたメンバーをもとにW杯での日本代表を考察する。

サプライズ無しのメンバー選考!浅野や井手口、中島は外れる

ロシアW杯に臨む日本代表メンバーは、本田圭祐、香川真司、岡崎慎司らの常連組に加え、原口元気や宇佐美貴史、柴崎岳らが初選出となった。発表された23人は以下の通り。★はW杯初選出

■GK

1 川島永嗣(メス)

12 東口順昭(G大阪)★

23 中村航輔(柏)★

■DF

2 植田直通(鹿島)★

3 昌子源(鹿島)★

5 長友佑都(ガラタサライ)

6 遠藤航(浦和)★

19 酒井宏樹(マルセイユ)

20 槙野智章(浦和)★

21 酒井高徳(ハンブルガーSV)

22 吉田麻也(サウサンプトン)

■MF

4 本田圭佑(パチューカ)

7 柴崎岳(ヘタフェ)★

8 原口元気(デュッセルドルフ)★

10 香川真司(ドルトムント)

11 宇佐美貴史(デュッセルドルフ)★

14 乾貴士(ベティス)★

16 山口蛍(C大阪)

17 長谷部誠(フランクフルト)

18 大島僚太(川崎F)★

■FW

9 岡崎慎司(レスター・シティ)

13 武藤嘉紀(マインツ)★

15 大迫勇也(ブレーメン)

解任された前監督、ハリルホジッチ就任後も常連組だったベテランを中心に、順当なメンバー選考に

なったのではないだろうか。アジア最終予選で日本代表のW杯行きを決めた、浅野琢磨や井手口陽介はメンバー外となった。また、今年3月に行われた親善試合のマリ戦で代表デビューし、同点ゴールを決めた中島翔哉(ポルティモネンセ)も選出が期待されながらメンバー外となっている。

日本代表W杯日程は以下の通り

6月19(火)21:00 1次リーグ VSコロンビア

6月24(日)24:00 1次リーグ VSセネガル

6月28(木)23:00 1次リーグ VSポーランド

※時間は全て日本時間

初選出は12人で前回大会から減少 海外組は15人で過去最多

今回、召集されたメンバーの中で初召集は12人となっている。川島、長谷部、本田、長友、岡崎が3大会連続の選出なった。32歳の東口や31歳の槙野は30代で初のW杯行きを決めた。最年少は23歳の

中村(1995/2/27)となっている。今回初選出となった選手はが12人となっており、14人が初選出された2014年のブラジル大会から2人減少した。なお、23人のうち、海外組は15人でこれまで最多だったブラジル大会の12人を上回った。

平均年齢は28歳超えで過去最高 世間では心配の声も

今回選出されたメンバーの平均年齢は28.26歳で26.8歳だった2014年大会よりも1歳以上上がり、初の28歳超えとなっている。日本は出場国32ヶ国中7番目に高い平均年齢となっている。1位はコスタリカで平均年齢は29歳を超えており、最も平均年齢が若いナイジェリアは約25歳で約4歳の差がある。

今回の日本代表は香川、酒井宏樹といった2012年ロンドン五輪世代が最多の9人。次いで本田、岡崎ら2008年北京五輪世代が7人、続いて遠藤航、大島ら2016年リオデジャネイロ(2016)世代が5人、川島と長谷部の2004年シドニー五輪世代が2人となっている。

平均年齢が過去最高となっていることもあり、ファン・サポーターからは心配の声が多く挙がっている。それに対し、長友がTwitterで「年齢で物事判断する人はサッカー知らない人。」とツイートして反論している。しかし、「そういうことは結果を出してから言ってくれ」「練習や試合に集中しろ」などとファン・サポーターの反応の中には厳しいものも多く見られた。

3-4-2-1で戦ったガーナ戦に敗戦も、一定の手応え感じる

筆者が現地で撮影

メンバー発表前日の5月30日(水)に日産スタジアムで行われた親善試合のガーナ戦では、長谷部をセンターバックに置き、左に槙野、右に吉田、ボランチに大島と山口、左に長友、右に原口、前線は大迫がセンターフォワードでシャドーに宇佐美と本田といった3-4-2-1を採用した。

4月に電撃解任されたハリルホジッチ元監督の時には例のない戦い方を見せた日本代表だったが、セットプレーとPKから失点し、2-0でガーナに敗れた。敗れはしたものの、3バックの真ん中の長谷部は「流れの中から崩されてはいない」と一定の手応えを感じたようだ。

しかし、攻撃面でもラストパスの質やシュート意識、精度の低さが目立っていて大きな課題を

残した。宇佐美に関しては遠目から枠と捉えるシュートを見せるなどまずまずのプレーを見せて

いたが、結果的には無得点。先発した大迫や途中出場の武藤も不発に終わり、不安が残る結果と

なった。

ガーナ戦後のW杯前事前合宿練習では4バックも試す

オーストリア・ゼーフェルトで事前合宿をしている日本代表は従来の4バックの布陣も試している。

4-4-2や本田をトップ下に置く4-2-3-1など様々システムを試す。4-2-3-1といえば、2014年ブラジルW杯を戦ったザッケローニ監督が採用していたシステムだ。

ハリルホジッチ前監督も4バックを採用していたが、堅守速攻で縦に速い選手が求められていた。しかし、今回は選手主導のミーティングを重ね、西野監督はボールの保持率を高めて主導権を握る「ポゼッションサッカー」でW杯を戦う方針だという。

そうすることで、本田圭祐のようなキープ力があり、「タメ」を作れる選手を活かしやすいのではないだろうか。ハリル前監督の下では、定位置を失うこともあった本田が西野新監督の下で「復活」

を遂げることはできるのだろうか。いずれにしても、短い準備期間の中で、結果を出すことが求められている。

日本代表は6月8日(金) にスイス(日本時間26:00)と6月12日(火)にパラグアイ(日本時間22:05)とそれぞれW杯開幕前最後の試合を行う。W杯2ヶ月半前となる中で異例の監督交代となった今回のW杯で日本代表がどんな戦いを見せてくれるのかに注目したい。

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