預金1220万円 豊和銀元行員が着服 10年超発覚せず時効に

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元行員の着服で会見する高橋信裕豊和銀行専務(左)=8日、大分市の豊和銀行本店

 豊和銀行は8日、2008年に定年退職した女性元行員(69)=福岡市=が福岡支店に在職中、内規に反して個人的に預かった顧客の定期預金を勝手に払い戻すなどの手口で2078万円を流用し、うち1220万円を着服していたと発表した。同行は被害者に全額弁済しており、元行員に賠償請求する。元行員は着服を認めているが、業務上横領罪の時効(7年)が成立しているという。

 同行によると、元行員は福岡支店で預金窓口を担当。03年12月から08年8月にかけて、預金払戻請求書を偽造するなどして顧客計3人の預金から、計2078万円を引き出した。発覚しないよう、引き出した金を流用して穴埋めするなど偽装行為を繰り返し、一部は弁済したが、最終的な被害額は1220万円に上るという。

 元行員は「預金を(親族に)内密にしたい」などの理由で、顧客から個人的に定期預金通帳・証書などを預かっていた。

 今年2月、顧客が福岡支店に「通帳を元行員に預けたままだ」と通帳再発行を求めて問題が発覚。元行員への聞き取り調査などの結果、着服が確認できた。「元夫が事業で負った借金の一部を負担しており、返済に充てた」と話しているという。このほか正規の融資手続きを取らずに、別の顧客に60万円を貸し付けた出資法違反に当たる「浮き貸し行為」をしていたことも判明した。

 同行は今年4月に博多署に通報したが、業務上横領罪などの時効が成立していて被害届は出せなかった。着服があった当時の役職員の多くは退職しており、在職する関係職員の責任を問えるか検討する。

 10年以上にわたり着服を見つけられなかったことについて、会見した高橋信裕専務は「顧客が連絡を不要としていたので気付かなかった。深く反省し、内部管理を強化して再発防止に努めたい」と述べた。