新幹線長崎ルート 佐賀の負担軽減協議へ 長崎県は増える可能性 与党検討委

 九州新幹線長崎ルートの新鳥栖-武雄温泉間の整備方法を検討している与党検討委員会は8日、東京都内で会合を開き、追加の財政負担に難色を示す佐賀県の負担軽減策について、JR九州や本県と具体的な協議に入ることを確認した。一定の案が固まり次第、佐賀県に提示し、再び意見を聞く。
 検討委は全線フル規格とミニ新幹線の両方式について軽減策を検討する。長崎、佐賀両県が共通して負担する経費の配分を長崎に厚く見直すことなどを想定。JR九州とは、新幹線整備の財源となる施設使用料(貸付料)の増額を交渉し、それを基に佐賀の負担軽減につなげたい考え。
 会合後、山本幸三委員長はミニ新幹線について「投資効果があまりなく、(全線フルに比べて)貸付料が取れない」と記者団に述べており、全線フルの場合にどれだけ佐賀の負担を減らせるかが念頭にあるとみられる。また夏までに結論を出す考えを重ねて示した。
 国土交通省は全線フルの事業費を6千億円、ミニ新幹線を1700億~2600億円と試算。5月の検討委ヒアリングでは、山口祥義佐賀知事が、全線フルにした場合の同県の負担が約2408億円になるとの独自の試算を示し「受け入れられない」と表明。この試算について、この日の検討委会合では国交省が「事業費への貸付料の充当を考慮せずに試算している。地方交付税措置での負担減を含めると相当程度軽減される」と説明した。委員からは「佐賀県の説明は一方的ではないか」との意見が出た。

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