目指せ、夢の「空飛ぶ車」

20年実証実験も、開発活発

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プロドローンが開発に乗り出した空飛ぶ車「AEROCA」のイメージ図(同社提供)

 製造業が盛んな愛知県でベンチャー企業や、技術者の団体が「空飛ぶ車」の開発を進めている。2020年の実証実験開始を目指す企業もあり、映画で見た夢の乗り物は次第に現実味を帯びてきた。海外では大手企業も名乗りを上げ、開発競争は活発化している。

 小型無人機「ドローン」を手掛けるプロドローン(名古屋市)は2人乗りの「AEROCA(エアロカ)」の開発に乗り出した。機体四隅と尾翼のプロペラを使って垂直に離陸し、時速120キロで飛ぶ構想だ。動力は電動モーターで飛行時間は30分間。発電機を組み合わせたモデルは1時間に延ばせる。

 運転手を必要とせず、目的地へ自動で客を送り届ける無人タクシーを目指す。河野雅一社長は「誰でも簡単に利用できる仕組みにして普及につなげたい」と話す。法規制などの問題が解消すれば20年にも実証実験にこぎ着けたい考えだ。

 愛知県豊田市を拠点とする若手技術者の団体「カーティベーター」は陸空両用の「SkyDrive(スカイドライブ)」を開発中だ。道路は3輪のタイヤで走行し、プロペラを使って飛び上がる設計。運転手は車のようなハンドルで操縦する方式を検討している。

 20年の東京五輪・パラリンピックの開会式でデモ飛行を披露し、25年には市場に投入する構想を描く。トヨタ自動車グループが総額4250万円の出資を決めるなど大手企業も支援する。

 海外では、欧州航空機大手エアバスが1月、自動運転による1人乗り用の機体で試験飛行を実施。米配車大手ウーバー・テクノロジーズも23年までに空飛ぶタクシーを実用化する計画を明らかにしている。

 一方、安全を確保するための法整備は課題だ。国土交通省によると、空飛ぶ車の普及を想定した具体的なルール作りは進んでいない。法律では航空機として扱われ、安全性の認証にも膨大な時間がかかる。東大大学院の鈴木真二教授(航空宇宙工学)は「新たな認証制度の検討も必要になる」と話している。