伊藤美誠がチャイニーズタイペイのエースを破り準決勝進出<ライオン卓球ジャパンOP荻村杯・女子6/9(土)結果>

<LION卓球ジャパン・オープン荻村杯 北九州大会、2018年6月6日〜10日、北九州市立総合体育館>

6月9日、大会4日目となったLION卓球ジャパン・オープン荻村杯の女子シングルスに早田ひな(5月度世界ランキング16位・日本生命)、伊藤美誠(同6位・スターツSC)、平野美宇(同7位・日本生命)、石川佳純(同4位・全農)が登場し、伊藤が翌日10日に行われる準決勝に駒を進めた。

卓球ジャパンオープン(6/9)女子シングルス決勝トーナメント2回戦

9日の午前は、前日に引き続き、女子決勝トーナメント2回戦が行われた。8日に一足先に準々決勝進出を決めた平野に続くべく、早田、伊藤、石川が試合に臨んだ。

地元、北九州市の石田卓球クラブ、そして福岡の名門、希望ヶ丘高校の早田ひなは地元の観客からの声援を一身に背負い、中国のダークホース、木子(中国・同119位)と対戦。

早田は立ち上がりから苦しみながらも、チキータ(ボールの横を擦り、横回転をかけるレシーブ技術)などの回転のかかったボールを送ることで、リズムを掴む。しかし、次第に相手に慣れられてしまい、逆に木子の表ソフトを使った無回転ボールに有効な策を打てず、早田は2回戦敗退となった。

試合後早田は「ラリーでは互角に渡り合えた部分はあったが、勝負どころで消極的になってしまった。中国選手はその隙を狙ってくるので、甘さが出てしまった。」と振り返った。

かたや伊藤は韓国トップのカットマン徐孝元(韓国・同15位)を得意のスマッシュで打ち抜き、石川もルーマニアのエースであるスッチ(ルーマニア・同36位)を高速卓球で揺さぶり、ともに準々決勝進出を決めた。

卓球ジャパンオープン(6/9)女子シングルス準々決勝

9日午後から行われた準々決勝、日本選手のカードは平野-劉詩ブン(中国・同5位)、伊藤-鄭怡静(チャイニーズタイペイ・同9位)、石川-陳幸同(中国・同10位)となった。

準々決勝最初の対戦は平野と対戦したのは“無冠の女王”劉詩ブンだ。劉詩ブンは、ワールドカップ・ワールドツアーなどでは毎度好成績をおさめるも、世界卓球シングルスでは、勝利の女神が微笑まず、2度の準優勝、3度のベスト4という結果に終わっている選手だ。

平野は、劉詩ブンのミスの少ない鉄壁プレーを打ち抜けず、3ゲームの先制を許してしまう。第4ゲーム、なんとかして取り返したい平野だったが、やはり堅い壁を破ることはできなかった。敗れはしたものの、客席からは「平野頑張れ!」という大きな声援が飛び交い、会場を盛り上げた。

平野は試合後インタビューで「終始相手のペースで試合が進んでいて、全く自分の展開にできなかった。悔しいという感じではない。ここままでは中国を超えられないが、まだどこを改善していけばいいのかは見えていないので、これからコーチを話し合いながら決めていきたい」と語った。

続く伊藤は、チャイニーズタイペイのエース鄭怡静に対して、巧みなコース取りとスマッシュの得意技を最大限に活かし、2ゲームを先取した。しかし、パワーのある相手の連打を止められず続く2ゲームは奪われる展開に。この難しい場面からでも伊藤は冷静に相手を振り回し、4-2勝ちで準決勝への切符を掴んだ。

女子準々決勝、最後の試合では、石川と陳幸同が対戦した。今年3月のドイツオープンで勝っている相手であったが、あっさりと第1,2ゲームを落としてしまう。長く続くラリーに持ち込まれると分が悪かった石川はラリーを続けさせぬよう自ら積極的に攻め、ゲームカウント2-2のイーブンに戻した。しかし、追い上げもここまで。相手のほうが一本多く返してくるラリーが増え、2-4で敗北を喫した。

日本選手として唯一、翌日10日の女子シングルス準決勝に残った伊藤は、明日に向けて「自分のプレーをしたい」と意気込みを語った。

卓球ジャパンオープン(6/9)女子結果

シングルス

<決勝トーナメント2回戦>
早田ひな(日本生命) 2-4 木子(中国)
10-12/11-6/11-9/5-11/8-11/7-11

伊藤美誠(スターツSC) 4-0 徐孝元(韓国)
11-7/11-7/11-2/11-4

石川佳純(全農) 4-1 スッチ(ルーマニア)
11-6/11-9/4-11/11-1/11-7

王曼ユ(中国) 4-1 李皓晴(中国香港)
11-6/11-7/11-8/7-11/11-9

<準々決勝>
平野美宇(日本生命) 0-4 劉詩ブン(中国)
4-11/7-11/3-11/4-11

伊藤美誠(スターツSC) 4-2 鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
11-3/11-7/11-13/8-11/11-3/11-6

石川佳純(全農) 2-4 陳幸同(中国)
3-11/4-11/12-10/11-9/7-11/9-11

木子(中国) 0-4 王曼ユ(中国)
5-11/9-11/8-11/8-11

ダブルス

<準決勝>
劉詩ブン/王曼ユ(中国) 3-1 田志希/梁夏銀(韓国)
11-6/6-11/11-7/11-5

鄭先知/劉馨尹(チャイニーズタイペイ) 1-3 顧玉婷/木子(中国)
4-11/4-11/11-6/4-11

文:ラリーズ編集部
写真:松尾/アフロスポーツ

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