小さな武器で大きな成果をつかみたい トライアスロン・秦由加子選手

「なんだ、これは…って感じでした。滑らなくて走りやすい」

秦選手は、最初に渡された試作品の義足用ゴムソールを使った時の感想をそう表現した。

トライアスロンは街の中、一般道を走る。ヨーロッパなどでは石畳のコースもあり、何度かスリップして転倒する事があった。

「そうすると、怖くて走れなくなっちゃうんです」

そんな時に、ブリヂストンがタイヤ開発で培ってきた技術で義足用のソールを開発した。

その責任者が小平美帆さん。秦選手の要望に応えるために何度も試行錯誤し、走りに応じたパターンデザインを分析。グリップが良く、耐久性に優れたゴムを開発して、レース用のソールを完成させた。

元パラ水泳選手である秦選手は、得意のスイムで他の選手を離してもバイク、ランで追いつかれ、抜かれることがあった。

滑る心配をせず、安心して走れる義足用ソールは小さな部品。しかし、2020年に向かって、とても大きな武器となる。


秦由加子(はた・ゆかこ)

秦由加子選手 (トライアスロン)

1981年4月10日生まれ 37歳 千葉県出身 
マーズフラッグ・稲毛インター所属

3歳で骨肉腫を発症し、右大腿部より切断。幼少のころに経験した水泳を2007年に再開し、2008年から障がい者の水泳大会に出場。2010年から2012年まで「日本障がい者水泳連盟」の国際大会強化指定選手として国内外の大会に出場。2013年にトライアスロン競技へ転向し、2014年7月にはJTU(日本トライアスロン連合)のパラトライアスロン強化指定選手A指定を受ける
。2015年ITU世界シリーズ横浜大会パラトライアスロン(PT2-W)優勝

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