子宮頸がんワクチン訴訟 「毎日がつらい」憤り 全身に症状、高校も中退

 約2年前から全身の痛みや力が入らないなど原因不明の症状に苦しむ県内の女性(18)が福岡地裁で係争中の子宮頸(けい)がんワクチン訴訟に参加している。同様の症状を訴える女性らが2016年7月に全国4地裁で一斉提訴した。訴訟では症状とワクチンの因果関係を否定している国だが、制度上の措置として、症状がワクチンの副作用と疑われる対象者に医療費を支給しており、県内の女性もその1人だ。女性は「どうしてこんなことになったのか。毎日がつらい」と窮状を訴える。

 女性に症状が現れたのは突然のことだった。夕飯時、数分前まで動かしていた手で、箸を持てなくなった。両手の握力が弱まることに始まり、頭痛、全身の痛みなどに症状は広がった。全身の力が入らなくなり、一時起き上がれない状態にまで悪化した。

 女性は発症から約1年後の17年3月、症状と中学1年の時に接種した子宮頸がん予防ワクチンとの因果関係が否定できないとして国の救済制度の対象になることが認められた。

 予防ワクチンについては国が10年に接種を補助する緊急促進事業を始め、全国市町村で主に中学生を対象に接種が推進された。その後、国は予防接種法改正で13年4月から定期接種に位置付けたが、同年6月には「積極的な接種勧奨」を中断した。

 女性が接種したのも緊急促進事業の時だ。「はがきまで来て、必ず受けないといけないと思った。今のように副作用の可能性の説明なんてなかった」と当時を振り返り、憤りをあらわにした。

 発症後は治療で血液を入れ替え、通院を続けるが、症状は重くなったり軽くなったりを繰り返し改善は見られない。高校も中退した。できたことができない怖さと混乱の中、朝起きると「今日も生きている」と感じる日々が続いている。

 全国4地裁の訴訟で国と製薬企業はワクチンと副作用の因果関係を否定し、原告側と全面的に争っている。

 一方で、国は5年前から「積極的な勧奨」を中断しているが、症状の原因究明や治療法確立は進んでいないのが現状だ。

 女性は「ワクチン接種が原因としか思えない。そうでなくても今は選択肢がある。私たちは情報提供の在り方の被害者でもあることをきちんと考えてほしい」と訴えた。

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