旧優生保護法 熊本県内2人、月内にも提訴へ

記者会見で提訴への思いを涙ながらに訴える男性(左)=9日、熊本市中央区

 旧優生保護法(1948~96年)下で障害者らへの不妊手術が繰り返された問題で、手術を強制されたとして訴訟準備を進めていた県内在住の男性(73)と弁護団は9日、熊本市中央区の熊本学園大で記者会見し、今月下旬にも国に賠償を求めて熊本地裁に提訴する方針を明らかにした。

 全国ではこれまで4人が同様の訴訟を起こしており、県内では初めて。弁護団によると、20代の頃に不妊手術を受けた県内在住の女性(71)も、男性と同時に提訴する予定。賠償請求額は、いずれも約3千万円になる見通し。

 会見で男性は「手術によって私の人権は踏みにじられた。国に謝罪を求めたい」と訴えた。弁護団の東俊裕弁護士は「強制手術は憲法違反だ。謝罪や補償をしてない国の不作為も問いたい」としている。

 男性は幼い頃に変形性関節症を患い、10歳から11歳のころ、県内の病院で睾丸[こうがん]を摘出する手術を受けたという。男性は「結婚を諦め、自殺も2度考えた。国にこれまでの苦悩を訴えたい」と述べた。男性は骨折しやすいなど手術の後遺症とみられる症状に苦しんでいるという。(隅川俊彦)

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