【MLB】大谷、手術となれば…米記者「トラウトとはあと1年しかプレーできないかも」

エンゼルス・大谷翔平とマイク・トラウト【写真:Getty Images】

米名物記者が分析「手術を受けることになったら、エンゼルスの未来は悲惨」

 エンゼルスの大谷翔平投手がグレード2の右肘内側側副靱帯損傷で8日(日本時間9日)に10日間の故障者リスト(DL)に入った。すでに多血小板血漿(PRP)治療と幹細胞注射を受けた二刀流右腕は3週間後に再び患部の状態を見て、その後の治療方針を固める予定。仮に靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けることになれば今季は出場できず、プレーオフ進出を目指すチームにも大打撃。復帰は早くても2019年後半戦となるが、エンゼルスが2020年を最後に“弱体化”する可能性もあると米名物記者が指摘している。

 大谷の負傷がエンゼルスに与える影響について語ったのは、米国でスクープを連発する米メディア「ジ・アスレチック」の敏腕記者、ケン・ローゼンタール氏。FOXスポーツの中継に登場し「オオタニがトミー・ジョン手術を受けることになったら、エンゼルスの未来は悲惨だ」と言い切った。

 なぜなのか。トミー・ジョン手術からの復帰は投手なら14か月を要するため、3週間後にすぐ決断しても、復帰は2019年の9月頃になる見込み。来季はほぼ棒に振ることになる。ローゼンタール記者は、今季の開幕投手のギャレット・リチャーズ投手が今季限りで契約満了となり、フリーエージェント(FA)になることも指摘。「エンゼルスは一番良い先発投手2人を失うことになる」としている。

 さらに深刻なのが、チームの「顔」であるマイク・トラウト外野手の去就だ。2015年から6年総額1億4450万ドル(約158億円)の契約を結ぶスーパースターは、2020年限りで契約満了となり、FAとなる。もちろん、その前の契約延長やFA後の再契約の可能性もあるが、現時点で去就は不透明だ。

「エンゼルスが世界一を目指せる期間は急速に短くなっている」

 ローゼンタール記者は「マイク・トラウトとの契約は2020年までであり、トラウトとオオタニはあと1年しか一緒にプレーできないかもしれない」と指摘。シーズン通じての“共演”が2020年のみになる可能性もあるというのだ。同記者は「これらは決定事項ではない。オオタニはトミー・ジョン手術を受けないかもしれないし、トラウトは契約を延長するかもしれない」としながらも「しかし、エンゼルスが世界一の選手であるトラウトを擁して優勝を目指せる期間は急速に短くなっている可能性もある」と続けた。

 今季はプレーオフ進出への可能性を残しているエンゼルスだが、大谷の復帰が絶望となれば、10月に残っていても厳しい戦いを強いられる。そして、もし手術となってしまえば、来季も苦しくなる。エンゼルスは球界最高のプレーヤーであるトラウトがいる間に頂点を目指したいところだが、ローゼンタール記者が指摘するように残された時間は決して長くない。

 このコメントを聞いた番組司会者は「絶対にオオタニが必要ですね」と応じた。もちろん、ローゼンタール氏が指摘するように現時点で手術が必要になるかは分からない。回避して復帰への道を目指せるのであれば、それが一番だ。まずは、3週間後の状態に大きな注目が集まることになる。

(Full-Count編集部)

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