ラニーニャ終息 秋以降は海面水温上昇で、エルニーニョ発生も

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値。出典=気象庁ホームページ、吹き出し部分は加筆

 気象庁は11日、定例のエルニーニョ監視速報のなかで、2017年秋に発生したラニーニャ現象はこの春に終息したとみられると発表した。この夏はエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となる可能性が高い。
 ただ、秋以降は海面水温が基準値よりも高くなる傾向があり、エルニーニョ現象が発生する確率も50%とやや高くなっている。

 5月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は-0.1℃で、基準値に近い値となった。ラニーニャ現象は終息したとみられるが、中部太平洋赤道域の東風が平年よりやや強い状態は、今後もしばらく続く見通し。西部から中部の暖かい海水はゆっくり東に移動し、東部の海面水温はすぐには高くならないという。
 エルニーニョ予測モデルによると、夏は基準値に近い値を、秋は基準値よりも高い値か、基準値に近い値で推移すると予測している。予測のとおり、海面水温が秋以降、上昇に転じれば、エルニーニョ現象が発生する可能性もある。

エルニーニョ現象とは

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。

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