5月25日に開催されたスポーツ業界合同中途採用イベントには1242人の参加者が
スポーツの価値を日本社会の未来へ。「パ・リーグ キャリアフォーラム」がスポーツの可能性を掘り起こす
「10年後の2028年ごろには、小学生のなりたい職業ランキング9位ぐらいに『スポーツビジネスパーソン』というのを入れたいと思っております」
パシフィックリーグマーケティング株式会社(PLM)で代表取締役を務める根岸友喜氏は、社のビジョンと一致する「パ・リーグ キャリアフォーラム」開催の狙いをこう述べた。
「スポーツの世界で働くとなると、まずは選手を思い浮かべると思います。ただ、選手になれるのは一握りで、スポーツの業界はビジネス側や選手をサポートする方々にもプロはいます。そのような概念を世の中に広めたい」
5月25日に開催された国内初のスポーツ業界合同中途採用イベントには1424人の参加者が集まった。競技の枠を超えて出展した多くの企業と団体は、スポーツビジネスの領域に関心を持つ参加者の意気込みに触れることとなった。
「皆さんの『スポーツ業界で働きたい』という熱量にびっくりしました。ある程度のキャリアを持った方は、今の会社にいたほうがいいのでは、とも思いましたが、それでもスポーツ業界で自分の思いを具現化したいという方がいました」(川崎フロンターレ関係者)
「『クラブの方と身近に話せた』という方が多くいらっしゃいました。『クラブに興味を持っていたけれども、どのように接点を作って話をすればいいのか分からなかったので、非常にいい経験だった』と仰っていた方が印象的でした」(ヴィッセル神戸関係者)
「10月の開幕まであまり時間がない中で、あと何人か採用しなければならない状況です。思った以上にいろんな人に興味を持っていただいて、『応募します』との答えもいただきました」(一般社団法人Tリーグ関係者)
「スポーツビジネスを広く考えている方が来場されていたのかなと思います。ぜひ、応募していただきたいなと思えた方もいらっしゃいましたし、即戦力かどうかは分からないですけども、将来的に戦力になっていただける可能性のある方もいらっしゃいました」(ワイズ・スポーツ関係者)
また、このイベントでは出展社と参加者の面談機会だけではなく、スポーツ界の横の繋がりも創り出した。
「他のチームの人と話すことが普段はないので、考え方が違う面もありましたけど、凄く勉強になりました。Tリーグさんの立ち上げにBリーグを参考にしていただいて、ありがたいなと思いましたね」(栃木ブレックス関係者)
PLMの根岸氏は、今後もスポーツビジネスを担う人材を発掘するためのイベント開催を明言した。「採用」「育成」「評価」のサイクルを作り、人材の活性化によって業界のポテンシャルを引き出すのが狙いだ。
「選手以外にも選択肢があるというところに夢が持てるように、我々のやっていることを皆さんにお伝えしなければならないと思っています。スポーツが持っている価値は今現在も、今後の日本の人口などを考えても、もっと社会に役立てることがいっぱいあります。そうしたものをもっと提供して、日本の社会を豊かにしていきたい」
「パ・リーグ キャリアフォーラム」開催に尽力した、PLMのセールス&マーケティング部門チーフディレクターの園部健二氏も、イベント実施の感想とともに今後の展望を語る。
「競技、職種を越えて開催できたのが良かったですが、参加者の方々に届けなければいけないものをもっと具体的にしなければいけないという課題もあります。このまま終わらないように、実際の採用後の育成と流動化につなげて人材の観点からスポーツ界を活性化していくように務めます」
今回のイベント参加者が、出展者や登壇者たちと直接的、間接的にスポーツビジネスの舞台で共演する。そうした未来へのアウトプットが、「パ・リーグ キャリアフォーラム」開催の明確な目的だ。
(Full-Count編集部)