住民交流へ工夫、コミュニティー形成を促す造り 県内初の復興住宅が完成

西原村河原地区に完成した災害公営住宅の内部=10日、西原村

 熊本地震で被災し、自宅の自力再建が困難な人を対象にした災害公営住宅(復興住宅)が県内で初めて完成した西原村。被災者の恒久的住まいの確保に向けていち早く取り組むとともに、入居者のコミュニティー形成を促す造りにもこだわった。

 地震では村内家屋の56%が全半壊した。村は仮設住宅の整備を進める一方で、高齢者を中心に入居期限後も自力再建が難しいケースが出ると判断。地震1カ月後の2016年5月に復興住宅の用地交渉に入り、同年8月には確保した。始動の早さが迅速な整備につながった。

 整備には同じ民間事業者が設計から施工までを担う「買い取り型」を採用。設計と資材の発注を同時進行で行い、発注検査確認など村の事務手続きも削減できた。村震災復興推進課の山田孝係長は「土地所有者や事業者の協力があって、これほど早い完成につながった」と感謝する。

 事業を担ったのは県内の工務店などでつくる「エバーフィールド+kulos」。早期完成を目指す一方、入居者のコミュニティー形成にも配慮した。入居者の生活の独立性確保や、将来の子育て世帯の入居を見込み、一戸建てで内部を広めに設計。隣の家と芝生や小道でつなぎ、全戸の東側に縁側を設けるなど、住民同士の交流が自然に増えるよう工夫した。

 集会所の施工は、地元の藤本和想建築が担当。天井は木材を網状に組み込んだ「重ね透かし梁[ばり]」工法で、「復興を願う多くの人のつながり」を表現したという。付近の村民も利用できる。棟梁[とうりょう]の藤本誠一さん(44)は「木の美しさを感じてもらえるよう意識した。多くの人が交流し、笑顔があふれる場所になってほしい」と期待を込める。(丁将広)

(2018年6月12日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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