住友電工、カンボジアで高圧ケーブル受注 国内工場で20キロメートル製造

 住友電工は11日、カンボジア電力公社から高圧地中送電ケーブルを受注したと発表した。日本国内の工場で115キロボルトのCVTケーブルを約20キロメートル製造。カンボジアの首都プノンペンで、複数の変電所間を結ぶ約15キロの区間向けに供給する。受注は電気設備工事会社のトーエネックと、変電機器メーカーのシーメンスタイランドと共同。事業総額は約65億円となっている。住友電工ではこれまでの高圧CVTケーブルの製造実績が評価されるなどして受注した。

 経済などの中心地であるプノンペンの電力消費量は同国全体の7割を占めているが、現在送変電・配電設備の容量不足などが課題。広範・長時間の停電が起こるケースもある。その中で電力の安定供給を目指して円借款事業として行われる「プノンペン首都圏送配電網拡張整備事業」に住友電工では高圧電力ケーブルを供給する。

 同社が今回製造・供給するケーブルは、単心のCVケーブルを3本撚り合わせた構造のCVTケーブル。単心ケーブルと比べて敷設回数が少なく済むほか、省スペースで施工できる。また電力ケーブル特有の熱挙動が抑えられ、敷設工程を一部削減できることも特長となっている。

 19年中に納入し、トーエネックが敷設する。高圧CVTケーブルを製造できる企業は限られており、住友電工で豊富な実績を有している。

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