【三菱マテリアル竹内社長、社長交代でコメント】「ガバナンス強化などで経営体制を変更」

 三菱マテリアルの竹内章社長は11日、グループ内で発生した一連の品質問題について改めて謝罪した上で、「品質問題の経営責任をより明確にするとともに、品質管理を含むガバナンス強化策と中期経営戦略の遂行をいっそう強力に推進するため、経営体制を変更することとした」とのコメントを出した。

 竹内社長は22日付で取締役会長に就き、グループ全体のガバナンス体制強化に係る指導、監督、支援などを行う。

 後任に小野直樹副社長を選んだ理由は「技術畑出身で、技術的な造詣が深く、当社の技術力のさらなる向上に大いに力を発揮してくれると思う。また、海外事業会社の運営に携わるなど国際的なビジネス感覚に優れ、海外展開で小野氏の経験が大いに役立つと考えている」とし、「海外を含めた当社事業や業務に関する豊富な知識・経験を有し、当社グループをけん引するのに申し分ない。加えて冷静さと情熱とを兼ね備え、公平で誠実な人柄から人望も厚く、今後を託す新社長として最適と考えた」とした。

 同社は昨年11月以降、三菱電線工業、三菱伸銅、三菱アルミニウム、立花金属工業、ダイヤメットのグループ5社で品質データの書き換えや検査の未実施などの品質不正問題があったことを公表。

 さらに先週8日、直島製錬所で生産する銅スラグ骨材でも不適合品の出荷があったことを明らかにし、同日に日本品質保証機構からJIS認証の取り消し処分を受けていた。

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