いよいよ間近に迫ってきたワールドカップ開幕。日本代表は本大会前最後の強化試合として、12日にパラグアイと対戦する。
日本とパラグアイといえば、2010年大会ではベスト8進出をかけて激突した間柄だ。ただ、パラグアイは今大会の南米予選では7位で敗退。
現在はグスタボ・モリニゴ暫定監督がチームを率いている。ここでは、今回の注目選手をピックアップしてみた。
アントニオ・サナブリア
バルセロナの下部組織出身で、2013年に17歳にしてA代表デビューを果たしたストライカー。
クラブではサッスオーロ、ローマを経由して、2015-16シーズンにスペインのヒホンで11得点を記録しブレイク。2度のハットトリック達成はリーガの最年少記録だったそうで、ビッグクラブからも熱視線を浴びた。
現在はベティスでプレーしているが、来季から同僚になる乾の目の前でどんなプレーを見せてくれるだろうか。
デルリス・ゴンサレス
スイスのバーゼル時代に柿谷曜一朗(現セレッソ大阪)とポジションを争った小柄なアタッカー。
高いテクニックと機動力が武器で、必ずしも点取り屋ではないものの、得点に直結するプレーを第一に選択できる非常に南米らしい選手だ。
2015年に21歳にして同国の最優秀選手に輝くなど、サンタクルス、バリオス、カルドソらが抜けたパラグアイの次代を担うことが期待されている。
アレハンドロ・ロメロ・“カク”・ガマーラ
今回、パラグアイ国内で最も注目を集めているのは彼だろう。
アルゼンチン生まれで2013年にウラカンでデビューし、今年、クラブ史上最高額の移籍金でMLSのNYレッドブルズへ加入した“カク”・ガマーラ。
実は彼は2015年のU-20ワールドカップにアルゼンチン代表として出場している。ただ両親はパラグアイ人で、先月パラグアイ代表に初招集され、この日本戦でデビューすることが予想されている。
選手としては左利きのメッシタイプだが、愛称の“カク”は元ブラジル代表MFカカに由来する。
アンヘル&オスカル・ロメロ兄弟
見分けがつかないほどそっくりな顔で知られる双子のロメロ兄弟。
ともにセロ・ポルテーニョ下部組織出身の選手で、アンヘルはブラジルの名門コリンチャンスで活躍するアタッカータイプのFW。現在中国でプレーするオスカルは、強烈な左足と力強いドリブル突破が武器の攻撃的MFである。
二人が代表で同時にプレーすることはあまりないが、もし実現すれば日本代表チームも試合を中継する実況・解説陣も混乱すること間違いない。
フスト・ビジャール
石原軍団にいそうな顔立ちで昭和の雰囲気を漂わせる漢・ビジャール40歳。
彼をひと言で形容するなら「地味」で、代表デビュー当初は世界的GKチラベルトの陰に隠れ、さらにチラベルト引退後、2006年のワールドカップで正GKに抜擢されるも、負傷によりたった9分で交代と何かと苦労を味わった。
しかし地道な努力がやがて実を結び、南米を代表するGKへと成長。2010年ワールドカップではラウンド16で日本を破り、チラベルトでさえ成しえなかった8強入りを守護神として達成した。
1999年以来、代表での出場数は同国歴代2位の119を数えるが、今月30日には41歳となる。120試合目の節目となるこの日本戦は、19年間の代表生活に終止符を打つお別れ試合だ。