交流戦首位決戦スタート 強打の西武VS快投のヤクルト 軍配はどちらに

西武・辻発彦監督(左)とヤクルト・小川淳司監督【写真:荒川祐史】

ヤクルトは12球団トップの防御率2.70

 6月12日から行われる交流戦2位の西武と同首位ヤクルトの3連戦。ともに初優勝を目指して戦う両チームにとって、このカードが交流戦の天王山となることは論をまたないだろう。そこで、今回は両チームの現状を解説するとともに、この3連戦の見どころを考察していきたい。

 近年のヤクルトといえば「打線のチーム」という印象が強いが、交流戦の防御率は2.70と12球団トップの数字を残しており、投手陣の好調が快進撃の理由の1つとなっている。現在クローザーを務めている石山泰稚をはじめ、オリックスでも活躍した近藤一樹や新助っ人のカラシティー、2年目左腕の中尾輝といったリリーフ陣の安定が、接戦を制する強さをチームにもたらしている。

 同時に、11試合で12球団中4位の51得点を稼ぎ出した強力打線も、好調のチームを支える要因だ。ともに交流戦期間中の打率が3割を超えている雄平とバレンティンに加え、前年の不振から脱却の兆しを見せている山田哲人、日本球界復帰初年度から持ち味の高い出塁率でチャンスを作り続ける青木宣親、パ・リーグでの実績も豊富な打撃好調の坂口智隆といった実績ある選手たちが躍動を見せ、投打がかみ合った試合を続けている。

西武は12球団トップの72得点を叩き出す

 対する西武は、交流戦期間中の防御率が12球団中11位の5.07と投手陣が絶不調に陥っており、とりわけリリーフ陣に関しては、前年からの勤続疲労が影響してか打ち込まれるケースが目立っている。予定通りでいくと、エースの菊池雄星と今季好調の多和田真三郎はともにこのカードでの登板予定がなく、強力なヤクルト打線を相手に踏ん張っていけるかどうかは気がかりだ。

 しかし、今季のパ・リーグを席巻してきた強力打線は交流戦でも健在。11試合で72得点という驚異的な数字はもちろん12球団トップで、絶好調の秋山翔吾や山川穂高を中心に、主力打者たちが一時期の不振から脱却して快打を連発。圧倒的な打力を武器にセ・リーグ球団を相手に大いに暴れ、各地で大量得点を奪って強いインパクトを残している。

 大きな重要性を持つカード初戦の先発に、西武は新助っ人のカスティーヨを送り込む。一方のヤクルトはNPB通算159勝の実績を誇る38歳の大ベテラン・石川雅規にマウンドを託す。ジャパニーズドリームを目指して海を渡った来日1年目の剛球右腕と、酸いも甘いも噛み分けた老獪な技巧派左腕。何から何まで対照的な両先発の投げ合いが、カード全体の流れを左右する可能性は決して低くはないだろう。

 現在、12球団最強の投手陣と、12球団最強の打線が激突する3連戦。悲願の交流戦初優勝に向けて弾みをつけられるのは、最強の「矛」を持つ西武と、最強の「盾」を構えるヤクルトのどちらとなるだろうか。

(Full-Count編集部)

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