金属行人(6月13日付)

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 市況商品の価格は主に需給で決まるが、思惑や市場のムードといった要素も見過ごせない。特に鉄スクラップはムードに影響されやすい商品の代表格。日本の鉄スクラップ市況は4月に大きく下落したが、その要因には米国の鉄鋼輸入規制が挙げられ、弱気ムードで下げが加速した▼ムードの影響が大きかった分、市況の反転は早かった。米国通商拡大法232条による影響は限定的との見方が広がると、安心感から日本の鉄スクラップ市況は反発。5月に入り東日本で上昇が続き、特に関東では下落前の水準近くにまで戻った▼ただ、需給の違いが影響したのか関西市況の戻りは鈍く、足元は東日本が高くて西日本が安い〝東高西低〟の状態。東京製鉄の特級(H2)買値で見ると、宇都宮と岡山工場では5500円もの異例の価格差が生じている。地域的なバランスの悪さから「西が上げで、東が下げという展開もあり得る」(商社)との見方が出ている▼史上初の米朝首脳会談が12日、シンガポールで開かれ、トランプ大統領と金委員長が合意文書に署名した。北朝鮮の非核化というテーマは、鉄スクラップの需給とは縁遠いが、市場のムードに何がどう影響するかは読みにくい。電炉メーカーや鉄スクラップ関係者は市場の反応に要注意とし、警戒感を示していた。