あのアニメのネットスラングの元ネタってなんなの?「万策尽きた編」

ここ最近、放送中のテレビアニメで、通常の放送スケジュールでない総集編やキャスト・スタッフの特番が突如組まれると、「万策尽きたな」とか「万策尽きてる」などとネットでは書き込まれることがある。この言葉は2014年に放送されたアニメ『SHIROBAKO (シロバコ)』が由来になっている。

同作は、アニメの制作現場を題材とした作品となっており、実質的な主人公・宮森あおいの視点を中心に、アニメができるまでの苦労や奮闘が描かれている。その中で、宮森が勤務する武蔵野アニメーション(ムサニ)の上司である、制作デスクの本田豊というキャラクターがいるのだが、このキャラが劇中で、制作スケジュールがカツカツとなり、総集編を挟まなければならない瀬戸際に立たされると「万策尽きたー!」と叫んだり、ぼやいたりするのだ。

このセリフは早くも第1話から本田がつぶやいている。その後もこのセリフは劇中で本田の口から頻繁に発せられ、彼の代名詞ともいえるセリフとなった。その影響は大きく、ガジェット通信が主催した2014年のアニメ流行語大賞においては13位にランクインしている。

なお、劇中で制作していた劇中劇アニメ『えくそだすっ!』は幸い全てを納期内にあげていたが、同作がアニメ制作現場をネタとした作品ということで、実際の現場でも総集編が挟まれた際にこういう修羅場があったのだろうと、ネットの書き込みを中心に「万策〇〇」と使うようになった。

ちなみに、このセリフは13話以降、本田がムサニを退職してケーキ屋を始めてしまうため、後半ではほとんど聞かないセリフとなっている。(斎藤雅道)

*画像参照 TVアニメ『SHIROBAKO』公式ツイッター @shirobako_anime #musani

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