巨人岡本は主砲の働き 中日藤嶋、オリ山本らも…急成長した各球団の新戦力

中日・藤嶋健人(左)とオリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

岡本は打率リーグ3位、本塁打6位、打点も6位と大活躍

 プロ野球は交流戦が終盤戦に差し掛かり、その戦いもより一層熱が帯びてきている。今季はここまでヤクルトが10勝2敗という快進撃を見せて首位に立ち、3ゲーム差の7勝5敗でパ・リーグの4球団が追いかける形となっている。西武、ロッテ、オリックス、そして交流戦4年連続最高勝率を目指しているソフトバンクである。

 上位6球団は12試合を消化し、残り6試合。例年パ優位となる勝ち越しリーグを競う戦いも、36勝36敗の五分と、行方が読めなくなっている。各リーグの争いもいつになく混迷。セ・リーグは2位以下がわずか2ゲーム内にひしめき合い、2位から1日で一気にBクラスに転落しかねない。パ・リーグも最下位の楽天を除く5球団が6ゲーム以内に。まだまだペナントの行方も全く見通せない。

 そんなプロ野球で、ファンを楽しませてくれる存在は数多くいる。その1つが、これまで期待されながら、なかなか芽の出なかった選手が覚醒したり、といった新星の台頭だろう。チームの成績を大きく浮上させる可能性もある“新鮮力”。ルーキーは除き、今季、彗星のごとく現れただけでなく、チームに不可欠な存在にまでなった選手をピックアップしてみよう。

 今季、ついに花開いた大器として、真っ先に名前が挙がるのは、巨人の岡本和真内野手だろう。誰がこれほどまでの活躍を予想出来ただろう。ここまでセ・リーグ3位の打率.334、自身初の2桁10本塁打をマークし、39打点もセ6位。巨人の第89代4番を務めるなど、もはやチームの主砲と言っていい活躍を見せている。

 交流戦で首位に立つヤクルトでは、2年目の中尾輝投手が目を引く。2016年に名古屋経済大から入団した左腕はここまで中継ぎとして28試合に登板し、チームトップタイの5勝をマークしている。防御率2.73と安定感を見せ、“勝ち運”を持ったリリーフとしてチームで重宝されている。

オリ山本、DeNA京山、中日藤嶋は高卒2年目でチームの力に

 3年連続リーグ優勝を狙う広島で言えば、アドゥワ誠投手と野間峻祥外野手か。松山聖陵高から2016年のドラフト5位で入団したアドゥワは中継ぎで1軍に定着。ここまで23試合に投げて1勝3ホールドをマーク。野間は4年目。1年目に127試合に出ており1軍実績はある選手だが、今季は急成長。まだ規定打席に到達していないが、左翼でスタメン出場を続け、ここまで52試合で打率.354をマークしている。

 DeNAと中日ではいずれも2年目の京山将弥投手、藤嶋健人投手がファンの期待を膨らませる存在ではないか。京山は故障者続出によって開幕ローテ入りすると、初登板初先発初勝利から3連勝。その後は失点が続き防御率5.97まで悪化したが、ここまで4勝をあげている。ベテラン陣の活躍が目立つ中日では藤嶋が光だ。シーズン途中に1軍入りすると、主にビハインド時のロングリリーフなどで、ここまで10試合に登板。好投を続けており、防御率1.61の好成績を残している。

 ソフトバンクでは2013年のドラフト1位、5年目の加治屋蓮がついに花開かせた。サファテ、岩崎を故障で欠くリリーフ陣でセットアッパーの位置を掴み、29試合に投げて1勝0敗9ホールド、防御率1.80とチームの苦境を支える存在となっている。リリーフで言えば、オリックスの山本由伸投手、澤田圭佑投手もチームにとって重要なリリーフに。山本は22試合で3勝0敗12ホールド、防御率1.23。澤田は現在登録抹消となっているが、19試合で2勝0敗1ホールド、防御率1.80と結果を残していた。

 日本ハムでは玉井大翔投手、石川直也投手の2人が中継ぎ陣で奮闘。開幕直後はクローザー、途中からセットアッパーに移った石川直は24試合で12ホールド5セーブ。玉井は先日、登録抹消となったが、ここまで20試合に投げて1勝1敗2ホールドを記録している。楽天では田中和基外野手のここ最近の活躍が際立つ。まだ21試合、72打席しか立っていないものの、4本塁打。今後の活躍が期待されている外野手だ。

 ここでピックアップしたのは一部の選手で、このほかにも若手で奮闘する選手たちはいる。3分の1を消化したプロ野球。新戦力の働きが今後のペナントの行方を左右するかもしれない。

(Full-Count編集部)

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