阿蘇市の黒川、治水工事大詰め 県が遊水地など3カ所を公開

12日から暫定運用を開始した小倉遊水地。二次湛水地である農地が広がる=阿蘇市
洪水時にゲートを閉じて、小倉遊水地の二次湛水地(手前側)に水をためる排水樋管(奥)=阿蘇市

 県は12日、2012年7月の九州北部豪雨で氾濫した阿蘇市・黒川の治水対策工事として整備し、同日に暫定運用を始めた小倉遊水地や、内牧地区の河道改修工事など3カ所を報道陣に公開した。

 工事は、国の河川激甚災害対策特別緊急事業(激特)の採択を受け、河川管理者の県が実施。12年豪雨と同じ「50年に一度」の洪水時に家屋被害を防ぐため、遊水地や輪中堤を整備する。全事業費は285億円。

 265万立方メートルが貯水可能な小倉遊水地では、ためた水を遊水地内に食い止める排水樋管の開閉操作などを公開。河川の増水時は初期湛水[たんすい]地(23ヘクタール)へ、「10年に一度」の洪水時は二次湛水地(65ヘクタール)の農地まで流入させ、河川の水位を下げる。手野地区の遊水地の用地買収と地役権設定はほぼ完了した。

 今町・黒流町、小池地区の計125戸を囲む輪中堤2カ所は5月に完成し、残る狩尾地区も本年度完成予定。黒川の上・下流域146戸が対象の宅地かさ上げ工事は9月の完了を見込んでいる。

 事業全体の契約完了率は88%。県阿蘇地域振興局の古城和人土木部長は「工事は最終段階。遊水地の運用も始まり治水効果が期待できるが、ハード整備に頼らず、情報収集や早めの避難で命を守ってほしい」と話した。(中尾有希)

(2018年6月13日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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