一夜で2位から最下位転落も…今季はハラハラドキドキの大混セ&大混パ

西武・辻発彦監督と広島・緒方孝市監督【写真:荒川祐史】

セ・リーグは2位から6位までが2ゲーム差内にひしめく

 球界は交流戦も終盤戦に入り、交流戦最高勝率を目指す戦いが佳境を迎えている。今季は交流戦開幕前にセ・リーグ最下位にいたヤクルトが10勝3敗という快進撃を見せて交流戦首位に立ち、2ゲーム差の8勝5敗でパ・リーグの4球団、西武、ロッテ、オリックス、そして交流戦4年連続最高勝率を目指しているソフトバンクが追いかける展開となっている。

 上位6球団は13試合を消化。5試合という残り試合を考えると、ヤクルトが有利な状況に立っていると言える。また、過去13年で12回パ・リーグが取っている勝ち越しリーグを争う戦いも、今季はここまでパ・リーグの41勝37敗と僅差。セ・リーグが(というよりもヤクルトが、とも言えるが…)意地を見せており、行方が読めなくなっている。

 今季のプロ野球だが、各リーグでの戦いが、稀に見る大混戦となっている。それも、セパ両リーグともに、だ。両リーグの13日現在での順位を見てみよう。

【セ・リーグ】
1 広島     58試合33勝24敗1分 .579
2 阪神     56試合27勝29敗0分 .482 5.5差
2 ヤクルト   57試合27勝29敗1分 .482  0差
4 DeNA     56試合26勝28敗2分 .481  0差
5 巨人     60試合28勝31敗1分 .475 0.5差
6 中日     61試合28勝32敗1分 .467 0.5差

【パ・リーグ】
1 西武     58試合35勝23敗0分 .603
2 日本ハム   60試合33勝27敗0分 .550 3.0差
3 ソフトバンク 59試合31勝28敗0分 .525 1.5差
4 オリックス  60試合31勝29敗1分 .517 0.5差
5 ロッテ    57試合29勝29敗0分 .500 1.0差
6 楽天     59試合20勝39敗1分 .339 9.5差

 特に凄まじいのは、セ・リーグだ。2位の阪神から最下位の中日までがわずか1ゲーム差内にひしめき合っている。例えば、2位の阪神が交流戦で敗れ、下位球団が全て勝つと一気に最下位に転落する。逆に最下位の中日も、13日のように下位5球団で1球団だけ勝利すると、一気に2位までジャンプアップが可能。天国と地獄が隣り合わせになっていると言えるだろう。

 セ・リーグほどではないにしろ、パ・リーグも最下位の楽天を除く5球団が6ゲーム差内、2位から5位までは3ゲーム差以内にいる。日本ハムが貯金6、ソフトバンクが同3、オリックスが同2、そしてロッテが勝率5割。セ・リーグほど1日で順位が乱高下することはないが、連敗や連勝などで急降下、急上昇はあり得る状況だ。

 これほどまでの接戦ということは、捉えようによっては、その日その日の順位の浮き沈みに一喜一憂する必要はないとも言える。だが、気を抜けば、一気にその差が開いてしまう。ともに首位の広島、西武は下位とはある程度の差があるが、まだまだペナントの行方も全く見通せない。選手や首脳陣、そしてファンにとっては、なかなかに面白い、スリルに溢れたペナントレースとなっている。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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