金属行人(5月14日付)

 私事だが近所の小さなトンネルが突然崩落した。夜中に崩落したらしく幸い人的・物的被害はなかったようだ。しかし、通学路でもあり幼稚園などのバスも通るトンネルで、もし通学・通勤時間帯だったら…と思うと背筋が凍る▼トンネルは自動車1台がやっと通れるほどの幅で、歩行者が通る側道もあった。中はほぼ素掘りで風情を感じさせたが、雨の日などは水が側壁から染み出していた。入り口と出口はライナープレートで補強されていたものの「大丈夫かな」と、そこを通る誰もが一度は心配に感じるようなトンネルだった▼ただ、住民の生活には必要なトンネルだったため非常に不便な状況にある。トンネルを通っていた学生たちは大きく迂回しなければ学校にたどり着けなくなった。おそらく徒歩では15分以上通学時間が延びているだろう。幼稚園バスも同様で、送迎に余計に時間がかかるようになった▼現在は通行止めの看板なども立ててあるが、暑い日も雨の日もトンネルの前に誘導員が立っており、その苦労にも頭が下がる。早急な復旧が求められると同時に安全面の担保も強く求められる。鋼材で補強してもらえればと土木用鋼材の大切さ、これがもたらす安心感に改めて気付かされる。安全・安心な暮らしに土木用鋼材は欠かせない。

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