山江の宝「隠れ念仏」絵 住民らが村に寄託 歴史民俗資料館で公開へ

山江村歴史民俗資料館に寄託された「阿弥陀如来像」(中央奥)と蓮如上人像(左奥)。「親鸞聖人像」は右奥の厨子から取り出されて手前に置かれている=山江村

 江戸時代に人吉藩で禁教とされた一向宗(浄土真宗)の流れを引く仏絵など3枚がこのほど、山江村歴史民俗資料館に寄託された。同館は「隠れ念仏の歴史を示す大切な資料」として、22日から開く「山江の遺産展」で公開する。

 寄託された3枚の絵は、本尊の阿弥陀[あみだ]如来像と宗祖の親鸞聖人像、中興の祖とされる蓮如上人像。いずれも軸装され、木製の厨子[ずし]に収められている。山江村の別府、辻、岩ケ野の3地区の住民でつくる「同行[どうぎょう]」と呼ばれる信仰グループが、古くから守ってきた。

 同館の大平和明館長によると、相良藩では16世紀から明治時代初期にかけて一向宗が禁じられた。しかし隠れ念仏の組織ができ、藩外の寺院の援助を受けながら信仰を継続。本願寺人吉別院(人吉市)と球磨村教育委員会によると、禁教が解かれた後も、この流れを引く信仰グループが活動、現在も続いている。

 今回、仏絵などを寄託した同行で世話役を務めた高田良介さん(66)、きぬさん(63)夫婦によると近年、3枚の絵は世帯持ち回りで守ってきた。ところが人口減と高齢化で困難になり、昨年11月に人吉別院に寄託。今年5月になって歴史民俗資料館が人吉別院と協議、同行の希望もあって同館が保管することになった。

 一時期、人吉市にあった絵が山江村に戻ったことに、高田さん夫婦は「何百年も続いた信仰を示す絵。村内で保管されることになり、良かった」と話している。(鹿本成人)

(2018年6月14日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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