ついに本日、2018年ワールドカップがスタートする。
その開幕を飾るのが、開催国ロシア代表とサウジアラビア代表だ。
日本時間24時にキックオフされる注目の一戦。そこで注目となる2名の選手を特集だ。
アレクサンドル・ゴロヴィン(ロシア)
現在最もロシアで注目を集めている選手と言っても過言ではない。
かつて本田圭佑が所属していたCSKAモスクワの下部組織で育成された選手で、2014年に18歳でデビューした。
現在もまだ22歳と若いが、すでに世界中で高い評価を受ける「新星」であり、今夏はユヴェントスへの移籍が噂されている。
他にもチェルシーやアーセナルなど多くのクラブが関心を寄せており、彼に対する注目度はうなぎのぼりとなっている。
しかし、彼の生い立ちは意外なもの。ノヴォシビルスクとクラスノヤルスクに挟まれた小さな町カルタンで生まれた彼は、幼少期にフットサルしかやっていなかったという。
カルタンにはサッカーができるピッチが1つしかなく、しかも厳しい気候のため1年の大半で使用できなかったためだ。
しかし5歳の時、彼は両親に打ち明ける。「僕は何があってもサッカー選手になる」と。
体が小さかった彼は「チック」というあだ名を付けられていたが、その心にあまりにも大きな決意を持っていたのだ。
ジネディーヌ・ジダンとアレクセイ・スメルティンを愛した少年は、13歳でメタルルグ・ノヴォクズネツクのアカデミーに入団し、2012年にCSKAモスクワへ。
2015年には19歳でロシア代表に選ばれるなどすぐに頭角を現した。もはや国内にとどまる男ではない。世界に飛び出すべき選手である。
ファハド・アル・ムワラッド(サウジアラビア)
今回のワールドカップ予選最終節で日本を破り、本大会出場を決めたサウジアラビア代表。
その際に監督を務めていたのはベルト・ファン・マルワイク氏であったが、彼は予選突破後辞任している。
後にエドガルド・バウサを招聘したが親善試合の結果が振るわず解任。11月からフアン・アントニオ・ピッツィ氏が指揮している。
今回のサウジアラビア代表はかなり「面白い」。
親善試合ではイタリア、ペルー、ドイツに3連敗中であるが、所々でいいところも見せており、悲観する必要はない。
彼らが現在準備試合で見せているのは「弱者の戦略」である。
もともと攻撃的なサッカーを得意とするサウジアラビアであるが、エースのムハンマド・アル・サハラウィがこのところ極端な不調に陥っていることもあってか、前線をスピード重視で組んでいる。
おそらく中心となるのが、ゲームでも圧倒的なスピードを持つとしてよく話題になるFWファハド・アル・ムワラッドだ。
あまり得点力がないので本来はウインガーなのだが、彼をワントップで使うのならば、サウジアラビアの目的ははっきりしている。
彼をスペースに走らせること。それしかない。
そこにタイシル・アル・ジャーサムやヤヒア・アル・シーフリ、サーラム・アル・ドサリら機動力あるアタッカーがどう絡んでくるか。
砂漠に吹く風のように鋭いカウンターがロシア戦で炸裂するか。注目だ。