成人式と振り袖

 今春、高校を卒業した女性の親御さんによると、複数の着物専門店から晴れ着のレンタルを勧める電話が自宅に度々かかってくるそうだ。おや、成人式は再来年のはずでは?。

 「いや高校の頃から勧誘があった」。1月に大騒ぎとなった「はれのひ」事件で業界の一端には触れたつもりでいたが、本県にも結構な業者数がいて2、3年前から営業をかけているとは驚いた。少子化が進む折、業者としては顧客の囲い込みに懸命なのだろう。

 下見した店もあるが、どこかで名簿を仕入れたのか突然来る業者もあるとか。カタログを見せてもらうと、現代風やレトロ調などよりどりみどり。娘は「これがいい」と無邪気だが、レンタルでもなかなかの値段。着付け込みではあるが。

 「(娘の)姉ちゃんは私のお下がりで済ませたのに」と親は困惑。「無い袖は振れぬ」事情ではないが、コストに満足度が見合うか悩む。カタログによると、購入する人は減ってレンタル派が半数を超えた、とある。真相は不明だが、確かにこの傾向は続くのだろう。

 だが成人年齢を20歳から引き下げる改正民法が成立、業界には激震が走る。18歳で成人式となると受験で忙しい高校3年生は欠席するか、参加しても制服を選ぶかもしれない。晴れ着姿が一番街を闊歩(かっぽ)する風物詩も消滅するのだろうか。

 長年の慣習で成人式は20歳がふさわしい、とする要望書を日本きもの連盟は国会などに提出している。年齢引き下げは各種権利の問題に広く及ぶが、大人の自覚を高めるお披露目をどうするかという問題も大事な議論の焦点になりそうだ。

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宮崎日日新聞 MIYANICHI ePRESS

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