万場高校野球部が廃部 部員なく活動休止 四半世紀の歴史に幕

万場高野球部に飾られている群馬大会出場当時の写真パネル

 群馬県立万場高(神流町生利、金井誠治校長)で硬式野球部の廃部が決まったことが14日、分かった。昨年夏以降、部員がおらず活動を休止していた。学校が存続したまま、県内の高校野球部が廃部となるのは異例。四半世紀の活動に終止符を打ち、地元からは「寂しい」と惜しむ声が上がっている。

 昨年夏の全国高校選手権群馬大会に4校連合チーム(尾瀬、下仁田、万場、長野原)の選手として出場した3年生1人が引退した後、下級生の部員はおらず休部状態になった。今春の新入生48人(うち男子30人)からも入部者がなかった。

 生徒会の会則で、部活動について「半年以上、活動していないと認められる場合、生徒総会の決議を経て廃止」と定めており、生徒総会が5月に廃部を決めた。学校側は県高野連への脱退届提出を検討する。

 万場高野球部は1993年創部。夏の大会は94年から出場し、97年に初勝利を挙げた。選手不足に陥った2014年以降は下仁田、長野原などと連合チームを組んで出場していた。

 小林槙功基(まいき)監督は「現状では(本来の)選手9人をそろえるのも難しく、残念だが仕方がない」と話し、野球部長を務める高橋利之教頭は「野球部は学校を引っ張る部活動で、神流町の誇りでもあっただろうが、やむを得なかった」と説明した。

 地元には野球部を応援する住民も多かった。長年練習を見守り、公式大会や練習試合を応援、活動を支援してきた同校近くの新井正昭さん(72)は「学校から1キロ離れた(町営の)グラウンドに元気良く走っていく選手の姿が見られなくなり、気の抜けた感じ」と惜しんでいる。

 県高野連が作成する夏の群馬大会戦績一覧などによると、統廃合や中等教育学校への移行、廃校を除くと、大会出場を取りやめ、現在まで休・廃部したままの学校は戦後はないとみられる。

◎山間部の野球部 部員確保に苦労 強豪校志向 強まる

 山間部を中心に野球部員の確保に苦労する高校が増えている。少子化に加え、通学の便が良くなったことで平野部の強豪校に活躍の場を求める生徒が多くなったことも要因の一つという。

 長野原高は昨秋、部員がゼロになった。現在は廃部を考えていないが、野球部の担当教諭は「来年度も厳しい状況は変わらないだろう」と漏らす。

 高校野球では2012年度の夏の地方大会から、部員不足による連合チームの参加が認められた。本県では同年秋に初めて、下仁田と長野原が連合で出場した。今夏は過去最多の3チーム6校で、四ツ葉中等と玉村、榛名と富岡実業、下仁田と板倉がそれぞれ2校連合で臨む。

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