<瑞巌寺 輝き新たに>観光資源を磨く好機

中門は前夜祭で武者行列がコース最後に通る場所。奥の本堂が終点となる
東大寺主催の東日本大震災犠牲者供養。書家の金沢翔子さん(右から2人目)が揮毫(きごう)した=5月19日、瑞巌寺本堂

 日本三景の一つ、宮城県松島町の国宝・瑞巌寺は「平成の大修理」を終え、落慶法要を24日に行う。約10年に及ぶ修理により、仙台藩祖・伊達政宗が造営した名刹(めいさつ)は桃山文化の粋と輝きを再び放ち始めた。事業を振り返り、落慶を待つ地元を見つめる。 (塩釜支局・松田佐世子)

◎(下)お披露目

<花火で祝う>

 瑞巌寺の修理工事自体は109カ月かけて2017年11月に終わった。御成門や中門より早く修理された本堂は16年4月に拝観を再開。同6月の落語家桂歌丸さんの落語会を皮切りに、本堂での落慶記念行事が続く。今年5月に東大寺主催の東日本大震災犠牲者供養が行われ、今月17日は狂言師野村萬さんと能楽師友枝昭世さんによる人間国宝の競演がある。

 大半を主催するのが、落慶記念行事を担うため発足した地元・宮城県松島町の任意の官民組織「瑞巌寺慶讃(けいさん)会」。志賀寧(やすし)事務局長は「国宝・瑞巌寺は町の宝だ」と準備に奔走する。

 慶讃会はメイン行事として、落慶法要(24日)の前夜祭を22日に瑞巌寺周辺で催す。中でも国道45号を初めて通行止めにして行う武者行列は、寺を造営した仙台藩祖・伊達政宗役が伊達家18代当主泰宗さん、2代藩主忠宗役は父親が町出身の俳優千葉雄大さんだ。

 夜に花火大会があり、約4000発を打ち上げる。かつて観客でにぎわい、震災で中止となった松島灯籠流し花火大会の規模には及ばないが「震災後初めてお祝いの花火を上げられる」と志賀事務局長は言う。

<五輪見据え>

 震災は松島町の観光を直撃した。2000年から年間341万~373万人で推移した町入り込み客は、震災発生の11年に223万人に激減。12、13年に290万人台に回復した後は減り、300万人の大台に届かない。14年のマリンピア松島水族館の閉館も響いている。

 「瑞巌寺落慶を好機としなければならない」。慶讃会会長も務める町観光協会の磯田悠子会長は力を込める。100~150年に一度の大修理と落慶を体感できる巡り合わせに「貴重であり大きな感動だ。人々を巻き込み、他の観光資源も磨いていきたい」と話す。

 桜井公一町長も「落慶が観光復興の発火点になれば」と願う。尽力する最寄りのJR松島海岸駅のバリアフリー化も動きだした。「インバウンド(訪日外国人旅行者)にとって瑞巌寺は見てみたいターゲット」と2020年東京五輪を見据え観光誘客を思い描く。

 24日は瑞巌寺が行う落慶法要の後、寺の参道で町内4神社のみこし5基によるパレードがある。地元も熱を帯び、祝いのときを待つ。

Follow

河北新報

on

©株式会社河北新報社

コンテンツの閲覧を続けるには、ノアドット株式会社が別途「プライバシーポリシー」に定めるお客様の「アクセスデータ」を取得し、利用することを含む「nor.利用規約」に同意する必要があります。