<福島第2廃炉>「安心して暮らせる」地元歓迎 突然の方針表明に不安も

今年3月に開かれた県民大集会。3000人以上が福島第2原発の廃炉を訴えた=福島県楢葉町の天神岬スポーツ公園

 「少しは安心して地元に暮らせるようになる」。東京電力が福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の廃炉方針を福島県に伝えた14日、住民から歓迎の声が上がった。地域経済の行方や福島第1原発(大熊町、双葉町)の廃炉作業への影響を懸念する地元関係者もおり、東電の突然の方針表明に評価と不安が交錯した。

 「第2原発が廃炉になれば安心できる。もし再稼働となれば、住民の帰還のさらなる妨げになっていた」。楢葉町の竹本忠雄さん(67)はほっとした表情だ。

 町の避難指示は2015年9月に解除された。翌年に帰町した竹本さんは「望みは第1原発を含む完全な廃炉。安全に作業を進めてほしい」と求めた。

 同町議会は13年12月、第2原発廃炉を求める意見書を可決。町も東電や国に廃炉を重ねて要請してきた。

 松本幸英町長は「東電にようやく一歩踏み込んだ発言をしてもらったが、遅きに失した感もある。廃炉の時期をいつにするかなど、できるだけ早い判断を求めたい」と話した。

 廃炉には課題が山積する。富岡町から郡山市に避難する高橋四男さん(80)は「富岡は雇用などで原発に頼っていた。今は町に企業が少なく、経済面で不安だ」と今後を心配する。

 第1原発の廃炉作業への影響を懸念する声も。富岡町の宮本皓一町長は「第2原発が後方支援をすることで、第1原発の廃炉が早期に進めばいいと考えてきた。影響のないようにしてほしい」と注文を付けた。

 第1原発が立地する双葉町の伊沢史朗町長も「廃炉を同時に進めると作業員の確保も厳しくなると予想される。最優先すべきは第1原発だ」と述べた。

 今後の東電の動きに警戒感も広がった。焦点は第1原発にたまり続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法の行方だ。

 福島県浪江町を拠点に試験操業を続ける相馬双葉漁協の高野一郎請戸地区代表は「第2原発の廃炉に異論はないが、トリチウム水の海洋放出は絶対にあってはならない」と強調。「廃炉で汚染水や廃棄物がどうなるのかの説明もしっかり聞きたい」とくぎを刺した。

Follow

河北新報

on

©株式会社河北新報社