福島第2原発廃炉へ 全4基、東電社長表明

全4基が廃炉の方向となった福島第2原発

 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は14日、福島県庁で内堀雅雄知事と会談し、運転停止中の福島第2原発(楢葉町、富岡町)の全4基を「廃炉の方向で具体的な検討に入る」と表明した。原発事故を起こして廃炉作業中の福島第1原発(大熊町、双葉町)の全6基を含め、県内原発の全基廃炉が事実上決まった。

 東電が第2原発の廃炉に言及したのは初めて。ただ、具体的な計画は今後の検討課題となる。廃炉は県や県議会が東電に繰り返し求めていた。

 小早川氏は会談で「(第1原発事故に伴う)福島への根強い風評や住民の帰還が進まない状況があり、曖昧な状況を続けることが福島の復興の足かせになると考えた」と説明した。内堀知事は「全基廃炉を求める県民の強い思いを真剣に受け止め、しっかりと対応してほしい」と改めて求めた。

 会談後、小早川氏は「(昨年6月の)社長就任から1年がたった。(判断を)これ以上は延ばせない。大きな方向性を表明させていただいた」と語った。

 廃炉作業の開始時期などは「具体的にはこれから検討する」と説明。廃炉費用の見通しについても言及しなかった。一方で「原発が重要な電源だという方針は変わらない」と述べた。

 会談後に記者会見した内堀知事は「明確な方向性の意思表示がされたことを重く受け止める。実際の廃炉作業を安全、着実に進めてもらいたい」と強調した。

 県議会はこれまで、県内全基の廃炉を求める請願1件を採択し、第2原発の廃炉を求める意見書を4回可決。第2原発が立地する楢葉、富岡両町議会も同様の意見書を可決している。

[福島第2原発]福島県楢葉町と富岡町に立地する東京電力の原発。炉心溶融事故を起こした福島第1原発の南約12キロにある。4基あり、第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)で、いずれも出力は110万キロワット。1982~87年にかけて営業運転を開始した。東日本大震災の発生時は4基とも運転中で、第1原発同様、地震と津波の被害を受け、1、2、4号機は一時的に電源を喪失し冷却機能を失ったが、復旧。炉心溶融などは免れた。再稼働のために新規制基準に適合させるには多額の投資が必要な上、地元が強く反対している。

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