4年に一度の祭典、サッカー・ワールドカップがロシアで開幕!
メディアでは各国のスター選手が連日取り上げられているが、ここでは彼らほどの知名度はないものの、是非、注目してほしい選手たちを紹介しよう。
エミル・フォシュベリ(スウェーデン)
欧州予選でイタリアとオランダを抑えて本選出場を果たしたスウェーデン代表。その攻撃を牽引していたのがRBライプツィヒ所属のフォシュベリである。
2列目でのチャンスメイクを得意とし、2016-17シーズンにはブンデスリーガのアシスト王を獲得。近年のライプツィヒ躍進でビッグクラブからも関心を寄せられており、知名度も上昇中だ。
もし日本が勝ち上がった場合にはスウェーデンと当たる可能性もある。不用意にゴール前にスペースを作ってしまうと芸術的なラストパスを出されて得点を許してしまう…なんてことも。いずれにせよ今大会で大きなインパクトを残すことを期待したい。
シメオン・ヌワンコ(ナイジェリア)
アフリカ勢といえば、身体能力を武器にスーパーゴールで世界を驚かせてきた歴史があるが、その系譜を受け継ぐであろう大型FWが彼。セリエAのファンにとっては「クロトーネのシミー」といえばお分かりだろう。
ポルトガルリーグのポルティモネンセ、ジウ・ヴィセンテを経て、2016-17シーズンにクロトーネに加入。197cm・89kgの体躯を生かしたパワフルなプレーはもちろんのこと、アクロバティックなシュートも得意な点取り屋だ。
巨体が豪快に宙を舞う様はまさに迫力十分で、セリエA第33節ユヴェントス戦でのオーバーヘッドキックは圧巻だった。ロシアの地でも、あんなスーパーゴールを見せてくれるのだろうか?
ユリアン・ブラント(ドイツ)
レーヴ監督自身、ブラントとレロイ・サネ(マンチェスター・シティ)のどちらをリスト入りさせるかを天秤にかけたと明言する通り当落線上にいたが、晴れて23人目の選手として最終メンバー入りを果たした。
所属チームの規模と実績からサネの方が注目されているが、ブラントはサネ以上にエリート街道を歩んできている。U-15から各世代でドイツ代表としてプレーし、所属するレヴァークーゼンでは22歳にして背番号10番を背負う。
今大会では、ミュラーやヴェルナーなどの控えにまわることが多くなりそうだが、スーパーサブとしての活躍に期待したい。
フレッジ(ブラジル)
先日5900万ユーロ(およそ77億円)というビッグディールでシャフタールからユナイテッドに入団を果たした知る人ぞ知るブラジルの至宝。
主にアンカーを主戦場としており、シャフタールではチームの心臓として活躍。身長は169センチと低いが、今シーズンのCLグループステージ全参加選手内で走行距離2位に入るなど質の高いランニング能力が武器だ。またスプリントも速く、相手の守備網を破壊する縦へのダイナミズム溢れる運ぶドリブルも見どころ。
アンカーのファーストチョイスはカゼミロが予想されるが、試合中盤に新たなエンジンとして起用される機会は少なくない。ロシアの地で5900万ユーロの価値を大いに見せつけるだろう。
アロン・グンナルソン(アイスランド)
躍進するアイスランドの歓喜の映像で、一際目立つ髭を蓄えた選手を目にしたことはないだろうか。彼こそW杯初出場を果たした歴史的チームのキャプテン、アロン・グンナルソンである。
長くイングランド2部のカーディフでプレーしている彼は、177cmと決して大柄ではないものの、頑強なフィジカルと運動量で中盤を広範囲にカバーする闘志溢れるリーダーだ。得意のロングスローは本大会でも貴重な武器となる。
もしもアイスランドが勝利を掴んだなら、試合後の映像にもぜひ注目してほしい。彼が中心となりファンと一体となって巻き起こす「バイキング・クラップ」は鳥肌ものである。熱き魂を持った北欧の小国が、強豪国相手にどんな戦いを見せるだろうか。期待せずにはいられない。
アルバロ・オドリオソラ(スペイン)
前回大会のグループステージ敗退という屈辱を晴らすべく覇権奪回に燃えている無敵艦隊、スペイン代表。その中で注目すべき選手は22歳の若武者、アルバロ・オドリオソラである。
2017-18シーズンにレアル・ソシエダでブレイクした彼は攻撃的な右サイドバックであり、絶妙なタイミングで攻撃参加を試みる。高速ドリブルやワンツーでの突破など多様な崩しのパターンもあるため、相手の左サイドにとっては驚異的だ。先日のスイス代表との親善試合でも得点を決め、その能力の高さを改めて示した。
あのセルジ・ロベルトを落選に追い込みラ・ロハ(スペイン代表の愛称)の一員として初めてのワールドカップに臨む彼をぜひチェックしてほしい。
ピオトル・ジエリニスキ(ポーランド)
ポーランドで注目されるとなるとレヴァンドフスキが多いが、そんな絶対エースを生かす役目を果たすのがこの人。
テクニックに優れた選手で、両足が遜色なく使え、パスとドリブルでチームの攻撃を牽引する。ポジションの融通も利き、所属するナポリでは今季、両ウイングと中盤の攻撃的なポジションで起用された。
問題は守備力にある。ナポリは前からはめていく守備であるため組織的に奪っていくことができるが、それに比べてポーランドは組織的な守備ではないので穴になる可能性がある。日本の狙いどころになるかもしれない。
デヤン・ロヴレン(クロアチア)
クロアチアは予選途中から引き継いだダリッチ監督のもとポゼッションを志向しており、モドリッチ、ラキティッチ、コヴァチッチとそれを支える選手が揃っている。
多くのタレントがいる中で特筆したいのはCL決勝でもレアル・マドリー相手に善戦していたデヤン・ロブレンだ。
サウサンプトン時代フォンテと組んで鉄壁を築いていた兄貴肌のDFは、リヴァプール加入以降期待された活躍を見せられずにいた。しかし昨シーズン後半(ファン・ダイク加入後)から失われていた安定感を取り戻し、フィジカルと強気のボール奪取を度々披露してくれた。
もうやらかし続けた彼はいない、並み居る強豪国のFW達をねじふせてくれるはずだ。
ロドリゴ・ベンタンクール(ウルグアイ)
W杯は毎年、我々サッカーファンにとっても新たな“お宝”を発掘できる貴重な機会だ。今回はイタリアの名門ユヴェントスに所属する“ウルグアイの神童”ロドリゴ・ベンタンクールを紹介する。
彼は、巧みなパスセンスとボールスキル、そして豊富な運動量と激しいプレッシングが持ち味のボランチの選手で、19歳ながら大舞台でも落ち着いたプレーをするメンタリティを持ち合わせている。
今シーズンから加入したユヴェントスでは奇才アッレグリ監督の信頼を勝ち取り、CL出場を果たすなど多くの経験と自信を手にし、自身初のW杯出場の切符を獲得した。
爆発的な攻撃力を誇るウルグアイ代表を、攻守で支える存在となりうる彼のプレーから目が離せない。
イドリサ・グエイ(セネガル)
2015-16シーズン、奇跡のプレミア制覇を成し遂げたレスター。その中心には数々のピンチの芽を摘んだカンテの活躍があったが、今、“第2のカンテ”として注目されているのがグエイだ。
プレースタイルはカンテと同じくボールを刈りまくる中盤の潰し屋。デュエルに滅法強く、出足の早いタックルで相手の自由を奪う。
昨季のリーグのタックル数は、そのシーズンにリーグMVPを獲得した2位のカンテを大きく上回る126回。ちなみにグエイをエヴァートンに引き抜いたスティーブ・ウォルシュSDはカンテをレスターに引き抜いた人物でもある。
パスサッカーを掲げる日本代表とのGL第2戦では、中盤のフィルター役として立ちはだかるだろう。カンテのようにチームを躍進に導けるか注目である。