不妊手術の記録94人分見つかる 県が障害児3施設を調査

 旧優生保護法(1948~96年)下で障害者らに不妊手術が繰り返された問題を巡り、県は14日、県立障害児入所施設3カ所で、少なくとも94人に手術が行われたことを示す資料が見つかったと発表した。県はこれまで、報告書などで確認した県内の手術実施数を31人と公表しており、今回との重複分を除き、実施数は推測を含め114人になったとした。

 荒木歩健康福祉部次長らが県庁で記者会見し明らかにした。対象は最上学園(新庄市)やまなみ学園(長井市)鳥海学園(遊佐町)で、4月中旬から国の調査とは別に独自に実施。現存する666人分の資料を精査し、111人分の文書で優生手術に関する記述を見つけた。

 このうち、児童の生活や学習の様子を記した児童記録簿に「優生手術済」など具体的な記載があり、手術を受けたと推測できたのは94人だった。男性37人、女性57人で、最年少は12歳女性、最年長は26歳女性となっている。施設ごとの実施数は個人が特定される可能性があるため公表できないとした。

 県は調査の中で優生手術が行われた当時、3施設で勤務していた60~80代の元職員8人に面会し、聞き取りをした。記録簿には複数の児童が同じ時期に病院に行ったことを示す記載があったものの、集団での強制手術の有無は確認できなかったという。荒木次長は「50、60年前の話なので、優生手術に関してほとんど認識していない職員が多い」と実態調査の難しさを語った。国の統計では、本県で同意なしの不妊手術が行われたとされるのは445人。年度別では県の調査件数が国の統計を上回る年もあるが、要因は不明という。県は結果を国に報告する。

 県は障害児入所施設以外にも県所管の15施設で独自調査を進めている。このうち、山形新聞が行った県病院事業局への公文書開示請求では、県立精神科病院「こころの医療センター」(鶴岡市)で、前身の県立療養所金峯園時代の不妊手術の実施を裏付ける27人分の報告票が見つかっている。

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