金属行人(6月15日付)

 自動車や建産機など底堅い需要基調を背景に特殊鋼・ステンレス業界の販売は堅調を続けている。棒線関係では、あまりの需給タイト感から供給に支障が出ることを危ぶむ声は聞かれるが、販売の落ち込みを懸念する声は今のところ聞こえてこない。だが需要堅調はいつまでも続かない。流通業界では足元の状況への対策を兼ねて下降局面に備える試みが行われている▼ある流通は物流コストの上昇などマージン悪化への対策として商流見直しに動いている。従来はある地域の仲間業者にそれぞれ配送していたが、中には採算ラインに乗らない取引先もある。採算を確保しつつ即納要請に応えるには、その地域で比較的大口の取引先を通じて販売を続けるのが得策だと考えた。従来の小口の取引先が商流変更で不利益を被らないよう配慮して販売を継続している▼加工メーカーとの連携を深め、加工メーカーと加工品ユーザーの仲を取り持つことで材料拡販と付加価値向上を図る取り組み事例もかなり聞く。いずれも目新しい試みとは言えないが、それぞれの取引先との信頼関係や知見がなければ成り立たない手法だろう。地道に築いた信頼関係をどう連携強化に発展させるか。その競争は熾烈さを増している。

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