違法捜査を認定、無罪 覚醒剤使用罪で広島地裁判決

 覚せい剤取締法違反(使用)罪に問われた広島市の無職男性(51)の判決で、広島地裁の安藤範樹裁判長は14日、広島県警の捜査を違法と認定して無罪を言い渡した。警察官が職務質問をした際に、逃げようとした男性を威迫する行為があったと指摘。覚醒剤の陽性反応が出ていた尿検査を証拠として採用しなかった。

 判決によると、男性は2016年12月6日午前3時ごろ、広島市東区内のビルの南側で、パトロール中の広島県警の複数の警察官から職務質問を受けた。走って逃げようとしたが、警察官が押しとどめるなどして同日午前7時10分ごろ、裁判所が出した強制採尿令状を執行して尿を差し押さえた。その後、陽性反応が出て、17年1月に同法違反容疑で広島東署が逮捕し、起訴された。公判では男性は一貫して違法捜査を訴え、無罪を主張。検察側は懲役4年を求刑していた。

 判決で安藤裁判長は、警察官が逃げようとする男性の両肩をつかんで押さえつけ「じっとしてろ。公妨(公務執行妨害)とるぞ」と告げた行為などについて「罪を犯していないのに逮捕するという威迫となる行為で違法」と指摘した。所持品検査後に自宅の鍵などを返さなかった点も挙げ、「男性を4時間程度の長時間にわたり現場に留め置き、男性の移動の自由を大きく侵害した」とした。

 こうした行為の後に県警が差し押さえた男性の尿の鑑定結果を違法収集証拠と判断。「同様の違法捜査を防ぐ見地から証拠として許容できない」とした。

 警察官4人は証人尋問で「男性が体当たりするなどしたため警告した」などと正当性を主張したが、安藤裁判長は「違法、不当な行為を陰蔽(いんぺい)して証言しているのではないかとの疑念を払拭(ふっしょく)できない」と信用性を否定した。

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