「命を贈る医療」推進を 熊本県腎移植者の会が総会

定期総会であいさつする県腎移植者の会の大塚哲也会長(奥)=熊本市東区

 腎臓移植の経験者や家族でつくる県腎移植者の会の定期総会が10日、熊本市東区の熊本赤十字病院であった。脳死や心停止後の移植医療の推進や、患者の生活の質向上に向けた啓発活動に取り組むなどとした。

 同会は1995年に設立。同日は会員や医療関係者約70人が出席した。

 大塚哲也会長(56)=荒尾市=が「県内では約150人が腎臓移植を待っている。移植医療への理解と、(臓器提供の意思を示す)ドナーカードの普及に努めたい」とあいさつ。移植の啓発や移植コーディネーターを育成する「黄色い羽根募金」の活動を推進するなどの本年度事業を決めた。

 同病院第一外科の山永成美医師が講演。昨年まで、移植医療の先進国の米カリフォルニア大で学んだ山永医師は「移植は命を贈る医療。米では移植が日常的な医療とされ、提供者(ドナー)になりそうな人がいたら必ず医療機関に連絡がある。(日本のように)善意に依存しない仕組みが必要だ」と訴えた。

 腎臓は心臓などと違い、親族間など生体移植が可能。日本臓器移植ネットワークによると、全国では約1万2千人が腎臓移植を待つ。

 一方、日本移植学会などの統計によると、脳死後と心停止後、生体を合わせた実施件数は07年の1230件から16年は1648件まで増加。ただ過去5年間は1600件前後の横ばい状態が続く。生体移植が最も多く、1400~1500件ほど。脳死後の提供は07年の24件から16年は116件に増えたが、心停止後の提供は逆に163件から61件に減少した。(林田賢一郎)

(2018年6月15日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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