サバ、イワシの資源高水準 スルメイカは当面不漁 魚種変動の打開策探るシンポ//青森・八戸

水産都市・八戸を揺るがす海の異変について背景と影響に迫ったシンポジウム「魚種変動を乗り越えて」=14日、八戸プラザホテル

 デーリー東北新聞社は14日、青森県八戸市の八戸プラザホテルでシンポジウム「魚種変動を乗り越えて」を開いた。講演やパネルディスカッションを通じて、スルメイカの長期不漁やマイワシ大漁、マサバ小型化など水産都市・八戸を襲った異変の背景や影響に迫るとともに、打開策を探った。研究者はマサバとマイワシの資源水準について明るい見通しを示したものの、サバの小型傾向は続く可能性を指摘。スルメイカの水揚げは急激な回復は見込めない現状が報告された。ディスカッションではサバ養殖やイカの付加価値向上、イワシ活用など、現状打開につながるアイデアが出された。

 基調講演は「サバ小型化とイワシ復活の謎」がテーマで、国立研究開発法人・水産研究教育機構・中央水産研究所(横浜市)の由上龍嗣主任研究員が講師を務めた。

 マサバの資源量は2013年に一気に増大した後、高水準で推移していることを報告。「16年、18年生まれも多く、しばらくサバが減ることはないだろう」と指摘した。

 一方、加工向けの大型サイズが少ない小型化の傾向を「若いサバを取っているから小さいのではなく、年を取っても大きくならないのが要因」と分析の上で、背景として▽資源量が多過ぎて1匹当たりが成長しない「密度効果」の発生▽1歳時の低水温との接触▽餌の減少▽増加するマイワシとの競合―を挙げ、複合している可能性を示した。

 マイワシについては急激に減ったり増えたりする資源としての特徴を紹介。近年は増加傾向が見られるものの「1980年代のように爆発的に増えるかどうかはまだ分からない」と指摘した。産卵場の拡大を早期に把握することで急増を予測できるとして、状況を注視する考えを示した。

 間もなく始まる今季のスルメイカ漁については、函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長が資源動向を報告。15年以降の不漁は冬に東シナ海の産卵場の水温が低下したのが要因とみられており、「今年1~3月も産卵場の状況は悪かった」との解析結果を示した。

 ただ、少ないながらも生まれた幼生(子ども)が大きく育つための環境は悪くないとして「希望的な観測も交えれば、今年は不漁の中でも少しは取れるという感触だ」と述べた。

 シンポジウムには市民ら約200人が参加し、水産都市を揺るがす問題に理解を深めた。

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