<福島第2廃炉>汚染水処分へ地元対策か

 【解説】東京電力福島第2原発に関する東電の14日の廃炉方針表明は、あまりに遅い判断と言わざるを得ない。福島第1原発でたまり続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法決定に向け、地元の反発を抑える狙いが透けて見える。

 第2原発の廃炉は県や県議会が繰り返し求めてきたにもかかわらず、東電はその都度、判断を先送りしてきた。「第1原発の廃炉作業のバックアップ機能を担っている」との従来説明は何だったのか。東電は問われることになる。

 第1原発構内に保管するトリチウム水は現段階で88万トンを超える。原子力規制委員会は、希釈後の海洋放出を決断するよう東電に強く要求。国の有識者小委員会は今夏、処分方法の絞り込みなどに向けた公聴会を開く予定だ。

 有力視される海洋放出に対しては、地元自治体も漁業者も「風評被害が再燃する」と反発している。今回の判断が処分方法決定に向けた「地ならし」との見方は根強いが、地元理解を得るための「交換条件」に利用されることはあってはならない。

 今秋には福島県知事選(10月11日告示、28日投開票)が控える。現職の内堀雅雄知事は近く、再選に向け立候補を表明する見通し。

 「県内原発の全基廃炉」は内堀知事の1期目の公約で、実現すれば大きな実績になる。絶妙なタイミングでアシストを受ける形となる知事が、トリチウム水の処分や賠償問題を含め東電とどう向き合っていくか。県民は注視しなければならない。(福島総局・関川洋平)

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河北新報

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