<福島第2廃炉>東北各地の声「避難者の支援優先に」「風評残る、東電反省を」

 福島第1原発事故から7年3カ月余り。事故を起こした東京電力が14日、ようやく福島第2原発の廃炉を表明した。東北各地で暮らす原発事故の被害者らは遅すぎる判断を批判し、今もなお収束しない未曽有の被害に対する怒りや不満をあらわにした。

 原発事故後、南相馬市小高区から親族9人で避難し、米沢市で暮らす上野寛さん(53)は「廃炉の判断は遅いとすら思う。なぜ今なのか、第2原発でも大きな問題があったのではという疑念もある」と東電への不信感をにじませた。

 政府が福島第1原発の汚染水対策などに国費を投入する現状に対しても「第2原発にも国費が使われないか心配。避難者支援の予算確保を優先すべきではないか」と指摘した。

 福島市から米沢市に自主避難した武田徹さん(77)は「今も放射線量が心配な場所がある。福島県内の全原発廃炉が避難者の帰還促進につながるというのは早計だ」と冷ややかに見る。

 農産物直売所が閉鎖を余儀なくされるなど、原発事故の被害を受けた宮城県内丸森町の筆甫地区。自治組織の会長を務める引地弘人さん(70)は「廃炉は当たり前。今更という思いだ」と怒り、「風評被害はまだ残る。東電は反省してほしい」と強調した。

 反原発運動を続ける宮城県女川町議の阿部美紀子さん(66)も「放射性廃棄物を最終処分する方法のめども立っていない原発は、福島に限らず廃炉を進めるべきだ」と訴えた。

 東電の原発新設計画に翻弄(ほんろう)され続ける地域もある。東電は2011年1月、青森県東通村で東通原発の新設工事に着手したが、東日本大震災以降は中断したままだ。村内の40代主婦は「工事再開は絶望的。原子力産業にとって厳しい時代が続きそうだ」と地域の先行きを不安視した。

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