要介護認定長期化 調査員不足 対応に遅れ 現場「適切サービスできない」

 介護保険制度のサービスを受けるために必要な要介護認定について、佐世保市で被保険者の心身状態を確認する調査員が慢性的に不足し、申請から認定までにかかる日数が長期化する事態が続いている。制度は認定までの日数を原則30日以内と定めているが、2017年度の平均日数は54・2日。前年度より5・9日遅くなり、県内の市町と比べ深刻になっている。介護現場からは「適切なサービスを提供できない」と嘆く声も聞こえる。

 昨年12月。佐世保市内の介護事業所で働く40代の男性ケアマネージャーは頭を抱えていた。担当する70代男性の要介護認定の更新を申請していたが、認定の有効期限を過ぎても佐世保市から結果はこなかった。
 70代男性の要介護度は「要介護2」だが、更新に伴って「要支援」に軽くなる可能性があった。もし認定の範囲を超える過剰な介護サービスを提供すれば、その費用は自己負担となる。認定結果が出るまで、サービスを「要支援」の内容に下げて対応せざるを得なかった。ケアマネージャーは「市はこの現状を早く改善してほしい」と注文を付ける。
 佐世保市の申請から認定までの平均日数は、15年度(34・8日)から3年連続で悪化=グラフ参照=。16年度に認定した1万5363件のうち41日以上要した割合は80・8%に上った。これは認定業務の一部を佐世保市に委託する北松小値賀町を除き、県内の自治体でワーストだった。
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 認定が遅れる最大の要因は調査員の不足だ。市内では毎年1万6千件ほどの申請がある=グラフ参照=。市はこれまで定数を35人に設定していたが欠員が常態化。16年度には被保険者の訪問調査を民間の社会福祉法人などに委託し、休日や夜間でも対応できるよう改善策を講じた。それでも17年度は最大7人の欠員が生じた。
 市は「定員の見通しが甘かった」(市長寿社会課)として、昨年8月に38人に増員したが、欠員は解消されなかった。市議会一般質問でも議員から「事業は崩壊寸前だ。市民の信頼感を裏切る状況にある」と厳しい指摘が飛んだ。
 市は本年度の一般会計当初予算に調査員の待遇改善を図る事業費を計上。調査員の月給を最大2万7千円増やした。市長寿社会課は「6月1日までに調査員の定数は確保できた」としている。
 また、要介護認定は主に毎年更新だったが、制度の見直しで、本年度から最長で3年に1度となった。このため同課は、申請数が減り、認定の作業量も減るとみている。同課は「9月までに認定にかかる日数を規定通りの30日以内に抑える。今度こそ問題を解消する」としている。

◎ズーム/要介護認定

 被保険者の申請を受け介護支援専門員や看護師などの調査員が被保険者を訪問して心身の状態や動作を確認。市区町村が設ける審査会で要介護度を判断する。要介護度は軽い順から要支援1、2と要介護1~5の7段階に分かれ、程度によって介護サービスの種類や回数などが異なる。

介護施設で介護サービスを受ける高齢者。佐世保市内で調査員が不足し、要介護認定の申請から認定までの日数が長期化する事態が続いている=佐世保市

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長崎新聞

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