[ロシアW杯#01]開催国ロシア、いきなり圧勝! プレイメイカー負傷は痛手だが……

3点目を奪ったのは、交代で入ったばかりのジュバ photo/Getty Images
思わぬゴールラッシュに、チェルチェソフ監督もゴキゲン photo/Getty Images

堅実なサッカーでサウジを寄せ付けず

華々しいオープニングセレモニーに続いて行われた開幕戦は、ホストカントリーの人々に至上の幸福をもたらす展開となった。大会前のロシアは7戦未勝利で状態を不安視されていたが、終わってみれば5-0の圧勝である。キックオフ直後からウェーブをみせていたルジニキ・スタジアムに詰めかけた多くのサポーターにとって、生涯忘れられない一日、記憶に残る一試合になったのは間違いない。

「(自分の)仕事に集中している。明日に向けて最大限の準備をしている」

試合前日にこう語っていたのはロシアのチェルチェソフ監督で、地元開催の開幕戦という重いプレッシャーがかかるなか、失点のリスクを犯さない堅実な戦いを披露した。サウジにボールをキープさせつつ、守備のブロックを作ってしっかりと対応。得意とするカウンターからチャンスを狙い続けた。

また、ルジニキに採用されているイギリスSIS社製のハイブリッド人工芝(シスグラス)もロシアに味方した。12分に生まれた先制点の場面ではゴール前でサウジのアル・ジャサムが芝生に足を取られて転倒し、背後にいたガジンスキが気持ちよくヘディングシュートを突き刺すことができた。43分にはタテパス1本でチャンスを迎え、ゴロビン→ゾブニン→チェリシェフとつなぎ、最後はチェリシェフが巧みな足技でDFを翻弄して追加点を奪った。

堅実なロシアは2点差になっても自分たちのサッカーを見失わず、その後も落ち着いてサウジにボールをキープさせ続けた。前半を終えた時点でのポゼッションはロシアが39%でサウジが61%。圧倒的なサポートを受けて戦うホームチームが残す数字ではないかもしれないが、これがロシアのやり方であり、後半も引き続きサウジを術中に嵌め続けた。

プレイメイカー負傷は痛いがチームは勢いに乗る

3点目を奪った時間帯もちょうど良かった。サウジが迫力のない攻撃を仕掛け、ロシアが跳ね返すという“修行”のような時間が続いていた71分、右サイドでつかんだスローインから交代出場で入ったばかりのジュバが打点の高いヘディングシュートでネットを揺らし、落ち着いていた試合を動かした。

そして、この1点で試合は完全に決着した。気持ちが楽になったロシアは攻撃への意欲を増し、もうサウジになにもさせなかった。90+1分にチェリシェフが難易度の高い左足ミドルシュートを決めると、90+4分にはゴロビンが直接FKを決めてお祭り騒ぎとなったゴールラッシュを締めくくった。

「(今後の対戦相手は)強いチームでリスペクトしている。ミスの許されない試合になる」と試合後にチェルチェソフ監督が語ったように、ロシアにとってエジプト、ウルグアイと続く2戦目、3戦目が勝負になる。心配されるのは24分に左足太もも裏を痛めて途中交代となったジャゴエフで、このまま離脱となると痛い。とはいえ、代わって出場したチェリシェフが2得点したのは好材料であり、チームに結束力が生まれるかもしれない。そうした雰囲気を感じる開幕戦となった。

[スコア]
ロシア代表 5-0 サウジアラビア代表

[得点者]
ロシア代表:ガジンスキ(12)、チェリシェフ(43、90+1)、ジュバ(71)、ゴロビン(90+4)

文/飯塚 健司
サッカー専門誌記者を経て、2000年に独立。日本代表を追い続け、W杯は98年より5大会連続取材中。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。サンケイスポーツで「飯塚健司の儲カルチョ」を連載中。美術検定3級。Twitterアカウント : scifo10

theWORLD199号 2018年6月15日配信の記事より転載

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