シカから地域を守る! 対馬・仁田中 箱わな管理体験 ジビエ料理にも挑戦

 対馬市上県町の市立仁田中(平間恵一校長、23人)の1年生5人が13日、シカ被害の多い同町志多留(したる)地区住民でつくる「捕獲隊」と箱わなの管理を体験し、地域の獣害対策を学んだ。シカ肉などを使ったジビエ料理にも取り組み「命をいただくありがたさ」を体感した。
 シカ生息数が市内で最も多いとされる対馬北西岸にある志多留地区では、2015年時点の県の調査で1平方キロあたり67・8頭(市平均59・5頭)が生息している。
 捕獲隊は、国の特区制度を活用し、狩猟免許を持つ人と農家らがチームで活動するボランティアで、同地区では昨年6月に発足。隊長の原田義則さん(69)ら12人が農作物などを食べ荒らすシカを箱わなで駆除している。
 原田さんは「地域の問題は地元住民が解決しなければいけないと思って活動している」と説明。生徒は隊員と一緒に、地区内6カ所の箱わな設置場所を巡り、シカが好んで食べるとされるイヌビワの葉をわな内に仕掛ける作業を手伝った。
 生徒たちは地区内の集会施設に場所を移し、シカ肉やイノシシ肉のソーセージを作って住民らと味わった。高原真那さん(12)は「自分で地域を守っているのがすごい。動物の命にしっかり感謝して食べていかなければと思った」と話した。

志多留地区捕獲隊の原田隊長(右)の指導を受け、箱わなの中にシカが好むイヌビワの葉を入れる高原さん(中央)=対馬市上県町志多留
イノシシ肉のソーセージをつくる生徒ら=志多留地区多目的集会施設

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