ベッテル、F1カナダGPに対する「退屈」というファンやメディアの意見に「短絡的だ」と反論

 セバスチャン・ベッテルは、前戦F1カナダGPに対する「退屈だった」というファンや多数のメディアからの批判を、快く思っていない。

 ベッテルはカナダGPで50勝目をあげ、フェラーリにまたも勝利をもたらしたことは誇りだと話している。今回のグランプリはフェラーリに在籍していたジル・ビルヌーブがカナダで初勝利をあげてから40周年ということもあり、息子であるジャック・ビルヌーブがレース前にデモランを行なっている。

 しかし、人々の印象に残ったのは退屈な行列のようなレースだけだったという意見に、レース後のベッテルは異議を唱えた。

「人生にはそういうこともあるし、レースだっておそらくは同じだ」とベッテルは言う。

「レース自体や、このレースを批判することが理にかなっているとは思えない。退屈なレースだったかどうかは、僕には分からないことだ」

「僕からしてみれば当たり前だけど、どのレースだろうがマシンの中ではやることが多くある。なぜ最近の人たちは短絡的なのだろう」

 ベッテルはサッカーを引き合いに出し、ワールドカップでもピッチ上の全試合においてスリリングな戦いが見られるとは限らないだろうと語った。

「今季は7戦が終わったところだが、目を見張るようなレースもあれば、つまらないレースもあった。ワールドカップでも、試合の多くはエキサイティングなものにはならないと断言できる。それでも人々はサッカーを観る。素晴らしい試合もあるだろうけどね」とベッテルは語った。

「常に素晴らしい試合を期待したいところだが、いつも向上や改善が続くわけではない。だから、分からないけど理由はないんだ。答えなど探さず、批判記事を書かないことだ。何か他のことを書くべきだよ」

「ドライバーはマシンの中で仕事をしていて、戦えるときには戦う。けれども当然ながら、戦いを避けるという仕事もする。姿をくらまし、先頭に出て、追い抜かれないように」

「エキサイティングなレースになるときもあれば、そうでないときもあるということだ」

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