資源・燃料分科会、中長期政策を議論 海底熱水鉱床など開発促進

 総合資源エネルギー調査会の資源・燃料分科会(第24回)が13日、経済産業省で開かれた。エネルギー基本計画(案)における資源燃料政策の位置付けについて報告が行われたほか、中長期を見据えた資源・燃料政策の検討状況と今後の課題について議論した。

 鉱物資源関係では30年に向けた政策対応として海底熱水鉱床などの海洋資源の開発促進や、金属鉱物の安定供給確保を図るため、コバルトなどが偏在するアフリカへの資源外交強化やリサイクル技術の開発促進、鉱物資源自給率80%以上への引き上げなどに取り組むとの方向性が示された。

 海洋資源の開発については、5月に閣議決定した第3期海洋基本計画において、メタンハイドレート開発や海底熱水鉱床開発の具体的な計画などは「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」を改定して明らかにするとされており、年内に総合資源エネルギー調査会の審議を経て改定を実施する予定。海底熱水鉱床については資源量評価や生産技術開発に引き続き取り組むとともに、18年度は経済性評価を含む総合評価を行う計画。

 中長期の資源・燃料政策についての議論では、電気自動車向けのリチウムイオン電池に使われるコバルト確保の重要性を改めて確認。世界的にユーザー企業が積極的に資源確保に乗り出す動きが顕在化する中、日本のユーザー企業もリスクを一定程度覚悟した資源確保を推進する必要があると指摘しているほか、リユース・リサイクルスキームの構築も課題に挙げた。今後は上流権益の確保、リサイクルの強化、省資源・代替材料開発への支援を拡充するなどの対応策が必要だとした。

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