ついに開幕したワールドカップ。
ここでは、『fourfourtwo』による「ブレイクするであろう新星:後編」を見てみよう。
ロドリゴ・ベンタンクール(ウルグアイ代表MF)
ユヴェントスはカルロス・テベスとの取引に関連して、2015年にこのウルグアイ人MFの獲得権をボカから手に入れていた。いま彼はユーヴェに加わっており、その取引は“盗み”のように見える。
両足が使え、バーサタイルで、機動力があり、とてもいいパサーであるベンタンクールはブレイクしようとしているところだ。
彼に対する期待値はとても低かったが、そのインパクトは大きなものになりそうだ。オスカル・タバレス代表監督も彼を買っている。南米予選でも出番を得ており、本大会ではスタメン入りの可能性も。
ピオーネ・シストゥ(デンマーク代表FW)
23歳のウィンガーは、スーダンにルーツを持つ選手として初めてワールドカップでプレーすることになりかもしれない。
電光のように素早く、自信を持つシストゥは相手DFを“破壊”することができる。2016年夏に移籍したセルタでは貴重な経験を積んでいる。
彼の最大の夢は、バルセロナでプレーすることだ。その憧れの相手にゴールを決めて、セルタを4-3の勝利に導いたことも。最近は一貫性も見せており、ロシアでの活躍次第ではビッグクラブ行きも見えてくる。
アリレザ・ジャハンバフシュ(イラン代表FW)
カルロス・ケイロス監督のもと、イランは真っ先に強固な守備陣を作り上げた。だが、前線にも爆発力を秘めた2人のアタッカーがいる。
予選で得点を量産したFWサルダル・アズムンもロシアでは非常に重要な存在になるだろう。ただ、彼は現在ロストフで控えとなっている。
その一方で、パートナーであるジャハンバフシュは、オランダ(AZ)で輝きを放っている。昨季は11ゴールを叩き出し、今季はアジア人として初のエールディビジ得点王になった。
とはいえ、得点力以上に多岐にわたる貢献のほうが重要であり、24歳のアタッカーは前線ならどこでもプレーできる。
前回2014年大会は3試合に途中出場しただけで、ほとんど注目されなかったが、今年の夏は熱視線を送られるべきだ。
セルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチ(セルビア代表MF)
W杯予選を首位で突破したセルビアにおいて最大の謎は、セリエAのMFとして最高の評価を受けているミリンコヴィッチ=サヴィッチをスラヴォルユブ・ムスリン監督(当時)が無視していたことだ。
だが、W杯出場決定後に指揮官が去ったことで招集を受けることになった彼はロシアの地で重要な役割を担うべきだ。
強く、高く、フィジカル的に恵まれているだけでなく、技術的にも素晴らしく、驚異的なビジョンと巧みなボールタッチも併せ持つ。
また、年齢以上の経験があり、すでにビッグクラブからの関心も集めている。もし今夏にそのポテンシャルを開花させたなら、市場価値は爆上げとなるだろう。
アミヌ・アーリット(モロッコ代表MF)
昨年末、宿敵ドルトムント相手に4-4の壮絶試合をやったシャルケ。そのなかで、アーリットは紛れもなくスターだった。
投入された際は絶望的な4点差があったが、その無尽蔵のエネルギーとトリッキーさでチームを救うことに貢献したのだ。
ナントのサポーターなら、大好きだった彼がいかにいい選手なのかをすでに知っているだろう。アーリットはリーグアンでブレイクしてブンデスに引き抜かれたのだ。
途方もない才能があるフランス生まれの彼を説得できたモロッコ代表は喜ばなくてはいけない。
彼としてもフランス代表ではW杯に行けなかったかもしれず、モロッコにおける新星のひとりであることを証明できるのならば、その選択は理に適っている。