ヤクルト青木、史上最高齢での初回先頭打者ランニング本塁打 9例目のレア記録

ヤクルト・青木宣親【写真:荒川祐史】

ロッテ荻野は史上唯一の初回先頭打者初球ランニングホームラン

 ヤクルトの青木宣親外野手が14日、メットライフドームで行われた西武戦で、1回表に中越えのランニングホームランを打った。西武の名手秋山が打球を見失ったことによって生まれたこの初回先頭打者ランニング本塁打は、史上9例目の珍しい記録となった。

 NPB公式戦での初回先頭打者ランニングホームランは次の通りだ。

木村勉(近鉄)1956.09.02駒沢球場・大映戦 投手 米川泰夫○

三宅秀史(大阪)1958.06.25後楽園球場・巨人戦 投手 堀内恒夫○

柴田勲(巨人)1967.05.20後楽園球場・サンケイ戦 投手 村田元一○

飯田哲也(ヤクルト)1992.04.26神宮球場・広島戦 投手 川端順○

松井稼頭央(西武)1998.06.28福岡D・ダイエー戦 投手 佐久本昌広○

坪井智哉(阪神)1998.07.04広島市民球場・広島戦 投手 紀藤真琴●

宮地克彦(西武)2000.09.02西武D・近鉄戦 投手 門倉健●

荻野貴司(ロッテ)2014.05.06京セラD・オリックス戦 投手 西勇輝●

青木宣親(ヤクルト)2018.06.14メットライフD・西武戦 投手 十亀剣○

 いずれも俊足で鳴らした選手が並んでいる。戦前、1リーグ時代にはなく、セ・リーグが5例、パ・リーグが4例だ。最初の例は近鉄の木村勉。木村は通算1118安打、171盗塁の俊足選手だが、これがキャリア最後の本塁打(通算9本)となった。

 反対にプロ入り初本塁打が初回先頭打者ホームランだったのは1998年の阪神、坪井智哉だ。イチロー世代の坪井は、PL学園高から青山学院大、東芝を経て1997年にドラフト4位で阪神に入団。開幕から1軍で起用され、4月中旬から1番打者に抜擢された。

 2014年のロッテ、荻野貴司は初球を叩いたものだ。初回先頭打者初球ランニングホームランは唯一の事例。なお今年3月4日のほっともっとフィールド神戸でのオープン戦、オリックスDeNA戦ではオリックスの宗佑磨が初回先頭打者ランニングホームランを記録している。

サビついていない青木の俊足 NPB165盗塁、MLB98盗塁

 青木の6月14日の記録は、秋山が打球を後逸した間に青木が俊足を飛ばして帰還したもの。青木は「しまった」と言う表情で走り出し、苦笑いをしながらホームベースを踏んだ。

 このケースのように、ランニングホームランは外野手が打球を見失ったり、転倒するなど、何らかの失策がつかないミスが伴うケースが多い。守備の名手が揃っているプロ野球ではランニングホームランはレアだ。ましてや初回先頭打者では珍しい。

 青木宣親の36歳での記録は、木村勉の35歳を抜く最高齢記録。NPBで165盗塁、MLBで98盗塁した俊足はまだサビついてはいない。今後の活躍にも大いに期待したい。

(Full-Count編集部)

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