中日松坂と西武榎田が激突へ、大田や坂口も活躍中 新天地で輝く男たち

中日・松坂大輔と西武・榎田大樹【写真:荒川祐史】

松坂はここまで3勝、榎田は驚異の5勝をマーク

 17日、メットライフドームで行われる西武-中日戦で、注目の2人がそれぞれ先発のマウンドに上がる。中日は右肩の故障から復活を遂げた松坂大輔投手。今季ここまで7試合に先発して3勝3敗、防御率2.41の好成績をマークし、オールスターのファン投票でもセ・リーグ先発投手部門を独走する言わずと知れた「平成の怪物」である。

 西武からドラフト1位指名を受け、1999年にプロのキャリアをスタートさせた松坂。17日の試合はプロ入りからレッドソックス移籍までの8シーズンを本拠地として戦ったメットライフドームだ。ソフトバンク時代にオープン戦での登板はあったが、公式戦で古巣のマウンドに上がるのは2006年以来、12年ぶりとなる。

 一方で、西武の先発は榎田大樹投手。3月半ばに岡本洋介投手とのトレードで西武に移籍した左腕は新天地でその力を再開花させた。ここまで8試合に登板(先発は7試合)して5勝1敗、防御率2.56をマーク。6試合でクオリティースタート(QS、6回以上を投げて自責3以下)を達成。すでに自身のキャリアハイの勝ち星を挙げている。松坂vs榎田。それぞれが新天地で復活を遂げた2人の投手の対決には注目が集まることだろう。

 この2人だけではない。環境は人を変える、とよく言われる通り、戦力外やトレードによって移籍した新天地で、再び輝きを取り戻した選手がいる。

 今季、新天地に移った選手の中では、ソフトバンクの市川友也捕手が、チームにとって大事な働きを見せている。今季、捕手陣に故障者が続出したことから金銭トレードで日本ハムから緊急補強された市川。甲斐拓也という若き正捕手候補がいるため、出場機会は限られているが、バンデンハークや摂津正、中田賢一といった外国人、ベテランとバッテリーを組み、スタメンでも出場している。ここまで14試合に出場し、23打数6安打、打率.261。6安打のうち2本が本塁打。ソフトバンクにとっては大きな補強になった。

坂口は一時セ・リーグの首位打者に立ち、大田はすでに11本塁打

 新天地に移って数年が経ち、すっかりチームの中心選手となっている者もいる。交流戦で首位に立つヤクルトで欠かせぬ存在となっているのが坂口智隆外野手と近藤一樹投手。坂口は2003年に近鉄に入団してキャリアをスタートさせた。2011年には最多安打のタイトルを獲得したバットマンだったが、2015年にオリックスを退団し、ヤクルトへと移籍した。

 2016年、2017年も打率3割近くをマークしているが、今季はここまで.325のハイアベレージをマーク。一時セ・リーグの首位打者に立つ時期もあった。近藤も坂口と同じオリックスに在籍。2016年7月にトレードでヤクルトへと移籍した。昨季も54試合に登板しているが、今季はさらにその数字を向上させ、ここまでリーグ2位の29試合に登板し、防御率1.48。ヤクルト救援陣に欠かせぬ存在となっている。

 日本ハムで中心選手となったのが、2016年オフに吉川光夫投手、石川慎吾外野手とのトレードで、巨人から加入した大田泰示外野手と公文克彦投手の2人。大田は外野手のレギュラーの座を手にし、攻撃的2番打者として不動の存在となりつつある。ここまで打率.273、11本塁打、39打点。昨季マークした15本塁打のキャリアハイを早々に超えるペースで本塁打を放つ。

 公文は昨季41試合に投げて3勝負けなし3ホールドをマークし、今季は21試合に投げて1勝0敗4ホールド、防御率1.25と好成績を残している。オリックスから2014年オフのトレードで阪神に加入した桑原謙太朗は移籍3年目となった昨季ブレーク。中継ぎとして覚醒し67試合に登板し39ホールド。最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。今季もマテオ、ドリスが不調で再調整を強いられる中で21試合に投げて1勝1敗13ホールドと奮闘している。

 それぞれがそれぞれの苦労を経て、新天地で再び輝きを取り戻した選手たち。17日のメットライフドーム。松坂と榎田の投げ合いに、胸を熱くする人も少なくないのではないだろうか。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2