史上初の珍事 ヤクルトが交流戦最高勝率も…MVP選ばれず、賞金も“2位タイ”

交流戦勝率1位を決めたヤクルト・小川監督【写真:荒川祐史】

交流戦MVP選出は9年連続勝ち越しのパ・リーグ球団から、賞金1000万円も…

 ヤクルトが17日の日本ハム戦に5-1で勝利し、交流戦最高勝率を決めた。西武、ソフトバンクが敗れる中、オリックスは勝利したものの、直接対決でヤクルトが勝ち越しているため、球団史上初の交流戦勝率1位が確定した。

 一方で、この日のセ・パは「3勝3敗」で、今季の交流戦は6試合を残してパ・リーグの55勝47敗となり、9年連続勝ち越しが決定。セ・リーグが負け越したため、ヤクルトからはMVPが選出されないという史上初の“ねじれ現象“に。ヤクルトの賞金もパ・リーグの勝率1位球団よりも少なくなるという珍事が発生する。

 2015年から「交流戦MVP」は勝ち越しリーグの勝率1位球団から選出されると定められている。つまり、セ・リーグのヤクルトからは選ばれない。現在、パ・リーグの交流戦勝率1位はオリックス(交流戦2位)。20日の阪神戦に勝利し、パ・リーグ最高勝率を確定させれば、オリックスからMVPが選出されることになる。

 賞金でも“ねじれ”が起きる。ヤクルトに贈られるのは最高勝率球団への賞金500万円。2位に入るパ・リーグ球団は、勝ち越しリーグの勝率1位球団に贈られる1000万円を手にする。ヤクルトの倍の額だ。

 また、勝ち越しリーグの中の勝率2位球団は賞金500万円をゲット。こちらはヤクルトと同額となる。2014年までは優勝チームが賞金3000万円を得ていたが、2015年から変更された。なお、勝ち越しリーグの球団には3位以下も400万円、300万円、200万円、100万円が贈られるため、現在、交流戦12球団最下位の楽天も100万円を手にする。

 最高勝率のヤクルトからは交流戦MVPが選ばれず、賞金も“2位タイ”にとどまるという史上初の珍事となった。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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