連日のモリカケ報道とは何だったのか?共同通信の世論調査で内閣支持率6.0ポイント増で揺らぐ「メディアの信頼感」

写真:AP/アフロ

新潟県の米山隆一前知事が女性問題で辞職に伴う同県知事選挙が、10日に投開票した。自民、公明両党が支持する前海上保安庁次長の花角英世氏(60)が、初当選を果たしたことを『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)が取りあげていた。立憲民主党など野党5党は元県議の池田千賀子氏(57)を支援し、事実上の与野党対決の構図となった今回の選挙戦。焦点は新潟県の柏崎刈羽原発の再稼動問題であったが、いずれの候補者も「慎重な姿勢」を示していた。

しかし番組では、テレビ朝日の島本真衣アナウンサーが、このニュースの冒頭で、「森友・加計問題の影響は、ほとんどなかったようです」と、あたかも選挙戦の焦点が「モリカケ問題」かのように触れた上、当選後の挨拶で与党系候補の花角氏が「こんなにも大変な選挙だとはまったく思わなかった」「なんとかゴールできたかな」という発言のみを切り取り、野党系候補に約3万7千票あまりの差をつけての勝利にもかかわらず、苦戦したかのような演出で伝えた。

そして、選挙結果を受けての与党側の声として「かろうじて勝ったことから、安倍政権が信任されたものではない。脇を引き締めないといけないと受け止めている」という、誰が言ったのか分からない“匿名”のコメントまで紹介している。

今回の選挙は、あくまで「新潟県知事選挙」という地方の首長を決める選挙であるにも関わらず、立憲民主党を筆頭とする野党側は国政に絡め、安倍批判を繰り広げた。そもそもモリカケ問題と新潟県は全く関係ない。地元の首長を決めるにあたって、柏崎刈羽原発の再稼動問題や経済政策は地元の人にとって重要だが、政権の信任を問う選挙ではないはずだった。

それなのに、「森友・加計問題の影響は、ほとんどなかったようです」と、局アナがニュースを読む冒頭で問題提起するのは、公平中立が求められるテレビ局として野党側の立ち位置に寄りすぎではなかったか。

ちなみに、よほど新潟県知事選挙での与党側の勝利が、テレ朝は都合が悪いのか『グッド!モーニング』の後に続けて放送される『羽鳥慎一モーニングショー』では、この知事選のニュースをその日、一切取り上げることはなかった。

未だに連日続けられるモリカケ報道だが、こうしたメディアの偏向にも関わらず、安倍内閣の支持率は下がるどころか上昇し、不支持率を上回ったことが17日、共同通信による世論調査で明らかになっている。

米朝首脳会議で北朝鮮の非核化が注目される中、いつまでこの国の大メディアはモリカケ報道を続けていくのか。こうした異常な状況に対して、多くの国民が疑問を持ち始めているのは間違いない。安倍政権に批判的な共同通信の世論調査がこうした世相を如実に浮かび上がらせたのはなんとも皮肉だと言えよう。

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