アロンソ、ル・マンで「生涯で最も重要な勝利」を挙げ、トリプルクラウンに一歩前進。F1での去就に注目集まる

 2018年ル・マン24時間レースでフェルナンド・アロンソ、中嶋一貴、セバスチャン・ブエミが駆るトヨタの8号車が優勝した。世界三大レースを制することを目指しているアロンソは一歩その目標に近づいたことになる。

 F1モナコGP、ル・マン24時間、インディ500の世界三大レースを制覇するという偉業を達成したドライバーは、これまでグラハム・ヒルひとりだけだ。すでにモナコGPでの優勝経験を持つアロンソにとって、残るターゲットはインディ500の勝利のみとなる。

 三大レース制覇についてアロンソはこう語っている。
「トリプルクラウン達成というのは魅力的な目標だ。達成することが極めて難しいからね」とアロンソはSky Sportsに対してコメントした。

「インディ500、モナコGP、ル・マンという世界三大レースには、それぞれ異なるスタイル、異なるドライビングテクニックが必要だから、本当に難しい」

「すべての領域においてベストになるには、完成度の高いドライバーになる必要がある」

「僕は単に優れたドライバーになりたいんじゃない。完成されたドライバーになりたい。世界一のドライバーになりたいんだ」

 ル・マンでの勝利は自分にとってとても大きな意味を持つとアロンソは語っている。

「僕は勝てるときは絶対に勝つし、勝つのが難しいときにもなんとか勝つことを目指す。絶対に諦めないんだ。この勝利は僕の生涯のなかで最も重要な勝利のひとつと言っていいだろう」とアロンソはスペインのASに対してコメントした。

「ル・マン24時間はインディ500、F1モナコGPと並ぶ世界最高のレースであり、歴史もある。ドライバーにとって、この3つを制することには大きな意味がある」
「ル・マンで勝ったいま、トリプルクラウン達成に向け、残るはあとひとつということになる」

 インディ500への挑戦について聞かれたアロンソは「まだ何も決まっていないが、いずれまたインディで走る」と答えた。

「でも今日はル・マンでの成功を喜びたい。僕は自分がやるべき仕事を果たしたと思う。それが耐久レースで重要なことだ。強い決意を持ってプロフェッショナルな仕事をしたチームの全員を称えたい」

「すべてがとてもうまくいった。夜間の走行は本当に楽しかった。本当に特別なレースだ。参加できて誇らしい。また来年戻って来るよ!」

 2019年にマクラーレンに残留してF1でのキャリアを続けるのか、F1を離れてインディ500優勝に集中するのか、アロンソの去就に注目が集まっている。アロンソを手放したくないマクラーレンは、インディカー参戦を計画している。
 アロンソは来年のプランについては夏ごろに本格的に検討したいと繰り返し発言しており、ル・マンで勝利を収めた後も、「(2019年の活動については)夏が終わってから考える」と述べていた。

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