BHP・伊藤忠・三井物産、3700億円投じ鉄鉱山開発 西豪州で、21年出荷開始

 豪英系資源大手BHPは、伊藤忠商事、三井物産と共同運営するオーストラリアの鉄鉱石事業で、34億ドル(約3756億円)をかけて、新規鉄鉱山の開発に着手する。終掘が近い既存鉱山の代替として2021年の初出荷を目指す。新規鉱山では高品質の鉄鉱石を生産する計画で、鉄分の平均品位が高まるほか、高炉に直接投入できる塊鉱石の比率も上昇する見込み。

 3社が15日発表した。開発するのは西オーストラリア州・ピルバラ地区に位置するサウス・フランク鉄鉱山。3社は西豪州で複数の鉄鉱山を合弁事業体として運営。権益保有比率はBHP85%、伊藤忠商事8%、三井物産7%。サウス・フランクの開発投資で伊藤忠と三井物産は、権益保有比率に応じて、それぞれ約301億円、約267億円を負担する。

 サウス・フランクは、合弁事業体の主力鉱山で、終掘が迫るヤンディ鉄鉱山の代替として開発。生産規模はヤンディと同じ年間8千万トンとなる見通し。サウス・フランクへの移行によって供給能力を長期にわたり確保する。

 サウス・フランクはBHPが運営する鉄鉱山「マイニング・エリアC」に近接。同鉱山の既存インフラを活用することで投資額を抑制するほか、新たに鉄鉱石処理施設や貨車積設備などを導入する。

 BHPによると、サウス・フランクの開発によって、同社の西豪州鉄鉱石事業の鉄分品位(平均)は現行の61%から62%に上昇。さらに塊鉱石比率も25%から約35%に上昇する。

 BHP、伊藤忠、三井物産の合弁事業体の17年度の出荷量は4事業合わせて約2億7千万トン。3社は19年度をめどに2億9千万トンへの拡張を計画している。

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